最新記事

BOOKS

「政治」を基礎から学べる本、『教養としての「地政学」入門』『民主主義とは何か』『独ソ戦』の要点

2021年7月14日(水)20時09分
flier編集部
国会議事堂

mizoula-iStock

<「あの国は、なぜそんなことをするのか」を知るために必要な「政治」の基礎知識を教えてくれるflier編集部イチオシの3冊>

数多くの本を紹介し、またその内容を要約するサービスを展開している「flier」の編集部がオススメする「要約の達人が選ぶ、今月の編集部イチオシ!」コーナー。7月は「政治」に焦点を当てた3冊を紹介する(この記事は、本の要約サービス「flier(フライヤー)」からの転載です)。

◇ ◇ ◇

「政治」ということばを聞くだけで、Webページをそっと閉じてしまう人もいるかもしれません。政治は自分にはあずかり知らない遠いものという感覚があって、実際、興味を特別に持たなくても何とか生きていけます。

しかし、それは、何を入れたか忘れるくらい放置したままのゴミ袋のようなものです。いまは害がないけれど、放っておいたら臭ってくるかもしれないし、条件がそろえば火事のもとにもなります。正しい「捨て方」を知っていれば、自分や大切な人を守れるはず。

難しく考える必要はありません。国同士の関係、意思決定の仕組み、そして近代の過ちについて、まずは要約からのぞきこんでみませんか。

教養としての「地政学」入門

210714fl_po02.jpg

著者:出口治明
出版社:日経BP
flierで要約を読む

国際情勢は人間の営みですが、それを知ろうと思ったときにまず押さえておきたいのは、地理的条件とひとの動きを複合的に考える地政学です。

なぜ地理が重要になるのかというと、国は物理的に「土地」に縛られているからです。したがって、地理的条件をいかに利用するか、クリアするかという点がわかれば、ある程度の政治の流れが見えるようになります。

たとえば、各国の地図上の位置をよく見てみると、さまざまな国がそれぞれの仕方で日本にアプローチしているその背景が見えてくるかもしれません。

本書では、国際事情に精通した教養人である出口治明氏が、過去の歴史をひもときつつ、地政学の基本について事例豊富に語っています。国際人としての感性が求められる現代において必須の知識を手に入れるために、絶好の一冊です。

民主主義とは何か

210714fl_po03.jpg

著者:宇野重規
出版社:講談社
flierで要約を読む

いま日本も含めた世界の意思決定のベースとなっているのは、言わずと知れた民主主義です。その民主主義ということばを耳にして、みなさんはどのようなイメージをもつでしょうか。

民主主義は、そこに住む一人ひとりの市民を、一人ひとりの人間として認めるための仕組みです。だからこそ、自分たちが住む社会の問題の解決に一人ひとりが「参加」すること、権力をもつ人たちが一人ひとりの権利をないがしろにしないよう、その「責任」を問うこと、そして、社会の構成員としての自らの「責任」に自覚的であることが大切になります。

そう、民主主義は「めんどうなもの」です。でも、それが必要な「めんどうさ」であることは、その成立過程を見てみると理解できます。

本書は、忙しい現代人がなぜ民主主義を大事にしないといけないのか、歴史的背景から「腹落ち」するのにうってつけの良書です。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

神田財務官、介入有無コメントせず 過度な変動「看過

ワールド

タイ内閣改造、財務相に前証取会長 外相は辞任

ワールド

中国主席、仏・セルビア・ハンガリー訪問へ 5年ぶり

ビジネス

米エリオット、住友商事に数百億円規模の出資=BBG
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 3

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われた、史上初の「ドッグファイト」動画を米軍が公開

  • 4

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 5

    目の前の子の「お尻」に...! 真剣なバレエの練習中…

  • 6

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 7

    メーガン妃の「限定いちごジャム」を贈られた「問題…

  • 8

    19世紀イタリア、全世界を巻き込んだ論争『エドガル…

  • 9

    美女モデルの人魚姫風「貝殻ドレス」、お腹の部分に…

  • 10

    ロシア軍「Mi8ヘリコプター」にウクライナ軍HIMARSが…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 8

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 9

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 10

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 4

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 5

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中