EUの新環境対策に厳しい批判 その理由は?
批判される理由
一部の具体策で提案されている時間軸は、環境団体や緑の党からみると長すぎるようだ。
グリーンピースのリス氏は「いくらはやし立てたところで、多くの政策が始動するのは10年かそれより先になる。内燃自動車の新車販売禁止が35年になったように」と手厳しい。この内燃エンジン問題は、30年までの販売禁止を要求してきた欧州緑の党/EFAにとっても悩みの種だ。
可燃性木材ペレットなどを原料とするバイオマス電力を巡っても異論が出ている。リス氏は、木材を燃やすことを再生エネルギーと認定するなど、内燃自動車問題以外にも「炎上」を誘うとみられる政策があると指摘した。
社会正義
EUが運営する温室効果ガス排出枠取引制度は、いかなる排出者も対価を支払うべきという原則の適用を目指しており、一部のケースでは無償の排出枠割り当てを段階的に減らす提案がなされている。
新たな提案の下では、この無償割り当ての主な受益者だった航空業界は27年までに枠を失う。他の産業についても、域外企業との競争力を向上させるために、26年以降無償割り当て枠の削減ペースを加速させる。
一部の環境団体は、社会で最も立場の弱い人々が気候変動リスクにさらされ続けている中で、大企業に譲歩するような動きは許されないとくぎを刺している。
環境NGO、CANヨーロッパのディレクター、ウェンデル・トリオ氏は「政策は社会問題を考慮に入れる必要があり、市場の論理だけで動かされてはならない。特に無償の排出枠維持を通じて各産業が助成され続けている局面においては」と訴えた。
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