EU議長国にスロベニア 対立する右派首相で「東西分断」加速の恐れも
欧州委とヤンシャのつばぜり合い
ヤンシャ氏は、右派政権の司法改革に起因するポーランドとEUとの対立でも同国に肩入れし、欧州委は加盟国の法律に絡んで生まれてくる問題を解決できるはずだと主張。先週の首脳会議では「結局のところ、われわれは常に法的に拘束される決定を下し、それに従わなければならない」と訴えた。
シンクタンク、欧州政策センターのアソシエートディレクター、ゲオルグ・リーケレス氏は、国際NGOのフリーダム・ハウスは政治的権利と市民の自由度という観点で、スロベニアの評価順位をイタリア、スペイン、フランス、ドイツの上に置いているとしながらも、EU議長国となるスロベニアがこうした問題にどう対応するか改めて関心が集まるだろうと予想。ヤンシャ氏は重大に受け止める必要があり、議長国として実効的な民主主義の諸権利と法の支配尊重が行われているか監視の目にさらされるのは避けられないとの見方を示した。
欧州委は最近、ポーランドとハンガリー、スロベニアが報道の自由を侵害していると問題視するとともに、特にヤンシャ氏を名指しし、同氏が進める国営通信社の運営見直しを批判的に伝えた記者を中傷していると非難した。
ヤンシャ氏は、この記者を「いじめた」事実はないと反論している。
(Sabine Siebold記者)
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