最新記事

新型コロナウイルス

コロナ研究所流出説を裏付けるコウモリ動画

Wuhan Lab Video Appearing to Show Bats in Cages Fuels Speculation About Pandemic Origins

2021年6月16日(水)18時44分
サマンサ・ロック

マークソンは、武漢でパンデミックの起源を調査したWHOチームのメンバーである動物学者ピーター・ダザックを名指しして、ダザックが武漢研究所にコウモリがいるという話は陰謀論に過ぎないと述べたことを指摘した。

「現場で収集されたウイルスの遺伝子解析のために武漢研究所にコウモリが送られたという事実はない。それが現在の研究のやり方だ。私たちはコウモリのサンプルを収集し、研究所に送る。コウモリは捕獲した場所で解放する」と、ダザックは 2020年12月にツイートした。「私は15年間この仕事に従事してきたし、武漢研究所と協力してきた。研究所には生きたコウモリは絶対にいない」

マークソンはカールソンに語った。「ピーター・ダザックのような人間が、研究所流出説を陰謀論と主張した――「陰謀論」という言葉を彼は2020年12月のツイートで使った――研究室にコウモリがいると主張するのは陰謀論だと」

「ダザックは、今年初めにウイルスの起源を調査するために武漢に入った公式WHO調査団の調査官だったが、それは完全に欺瞞だった」

「この映像は、武漢ウイルス研究所でコウモリが飼われていたことを明らかにした。ピーター・ダザックはこれを認めて、自分の発言をすぐに訂正しなければならない」

本誌はWHOとダザックにコメントを求めている。

研究所流出説の証拠

この映像を探し出したドラスティックは、世界各地にいる20数人のアマチュア「探偵」の集団で、その多くが本名を明かしていない。

彼らは手がかりを得るためにインターネットを探索し、埋もれていた文書やその他情報をツイッターで発表する。最近では、ドラスティックの調査に注目する人が増え、そのなかにはプロの科学者やジャーナリストもいる。

「ダザックは何度も嘘をつき、武漢ウイルス研究所はWHOに真実を伝えず、WHOは事実を尋ねなかった。ドラスティックはこうした情報をひとつひとつ掘り出さなければならなかった。このビデオは、武漢ウイルス学研究所が生きたコウモリを飼っていたという、われわれのこれまでの主張を証明する最終的な証拠だ」と、ドラスティックは本誌に語った。

ここ数カ月、新型コロナウイルスのパンデミックが武漢研究所から流出したウイルスによって引き起こされた可能性があるという説が注目を集めている。ジョー・バイデン大統領はすでに、米情報当局に新型コロナウイルスの発生源に関する調査を命じ、報告を求めている。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、米軍制服組トップ解任 指導部の大規模刷

ワールド

アングル:性的少数者がおびえるドイツ議会選、極右台

ワールド

アングル:高評価なのに「仕事できない」と解雇、米D

ビジネス

米国株式市場=3指数大幅下落、さえない経済指標で売
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ウクライナが停戦する日
特集:ウクライナが停戦する日
2025年2月25日号(2/18発売)

ゼレンスキーとプーチンがトランプの圧力で妥協? 20万人以上が死んだ戦争が終わる条件は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン化」の理由
  • 3
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 4
    1888年の未解決事件、ついに終焉か? 「切り裂きジャ…
  • 5
    飛行中の航空機が空中で発火、大炎上...米テキサスの…
  • 6
    ソ連時代の「勝利の旗」掲げるロシア軍車両を次々爆…
  • 7
    私に「家」をくれたのは、この茶トラ猫でした
  • 8
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 9
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 10
    ビタミンB1で疲労回復!疲れに効く3つの野菜&腸活に…
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 3
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ...犠牲者急増で、増援部隊が到着予定と発言
  • 4
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン…
  • 5
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 6
    朝1杯の「バターコーヒー」が老化を遅らせる...細胞…
  • 7
    7年後に迫る「小惑星の衝突を防げ」、中国が「地球防…
  • 8
    墜落して爆発、巨大な炎と黒煙が立ち上る衝撃シーン.…
  • 9
    ビタミンB1で疲労回復!疲れに効く3つの野菜&腸活に…
  • 10
    「トランプ相互関税」の範囲が広すぎて滅茶苦茶...VA…
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 4
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」…
  • 5
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 6
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 7
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 8
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 9
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のア…
  • 10
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中