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新型コロナウイルス

コロナの研究所流出説を「排除しない」ファウチ所長への批判を煽る黒幕

2021年6月16日(水)11時30分
エリザベス・クリスプ
ファウチ米国立アレルギー・感染症研究所所長

バイデン政権はファウチを擁護している SUSAN WALSHーPOOLーREUTERS

<マスクの有用性に対する見解や、ウイルスの起源への見方で注目を浴びる米コロナ対策トップだが、批判の背後にいるのは?>

トランプ前大統領時代から、アメリカの新型コロナウイルス対策を率いてきたファウチ国立アレルギー・感染症研究所所長への風当たりが強まっている。数千通のメールが公開されて、マスクの有効性への見解の変節が批判されたが、今度はウイルスの起源をめぐる見方が問題視されている。

ファウチは6月9日のMSNBCのインタビューで、「私が知る研究者のほとんどは、病原体保有動物から人間に自然に感染したのが起源だと思っている」と発言。その一方で、「ウイルスの研究をしていた(武漢の)研究所から流出した可能性も排除していない」とも述べた。

そもそもウイルスの起源は、情報機関が探っている問題だ。それなのにファウチの言葉が事細かに取り上げられ、更迭論まで持ち上がっているのは、トランプ(と支持者)が、自分の初動ミスをファウチのせいにしたがっているから。トランプが本格的な政界復帰をもくろむなか、ファウチ攻撃はしばらくやみそうにない。

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