英国に衝撃!名門オックスフォードの学生がエリザベス女王の肖像を撤去
Queen Elizabeth’s Portrait Removed Over “Colonial History”
外した肖像写真は新たに飾る場所が決まるまで大切に保管すると、カッツマンは付け加えた。
折しもイギリスでは今、学問の場における言論の自由を保障する政策が推進されている。教授陣や学生、外部の講演者が大学当局に忖度して自由闊達な議論ができなくなることがないよう、英政府は大学当局の言論規制を禁じる法整備を進めていると、ガーディアンが報じている。
この流れで言えば、自治会の決定は尊重すべしと論じる政府関係者が出てきてもおかしくない。実際、ロバート・ジェンリック住宅・地域社会・地方自治相は、これは政治家が口を挟むべき問題ではないとの考えを示した。
「学生の自治組織が決めたことで、私はそこに首を突っ込む気はない。あくまで学生たちの判断だ」と、ジェンリックはBBCに語った。「私自身は執務室に女王の肖像を掲げており、それを誇りに思っているがね」
白人しか雇わなかったバッキンガム宮殿
最近明らかにされたバッキンガム宮殿の差別的な人事も、今回の騒ぎと無関係ではなさそうだ。
バッキンガム宮殿では少なくとも1968年まで「有色人種の移民または外国人」は事務職に採用しない慣行があったことがガーディアンの調査で分かった。
証拠となったのは、当時の内務省職員、T・G・ワイラーがエリザベス女王の最上級の財政顧問だったトライオン卿に雇用差別禁止法案について考えを聞き、その内容をメモした文書だ。
トライオン卿はワイラーに宮殿での職種は3種類あると説明していた。「1つは上級職で、人材募集など表立った募集は行わず、おそらくは(差別禁止)法案の適用外となる。2つ目は事務職で有色人種の移民または外国人は雇わないことが慣例になっている。3つ目は通常の家事労働で、有色人種の候補者も選考対象となり得るが、いずれにせよ提案されている(差別禁止法案の)除外規定に当てはまるだろう」
除外規定とは、女王や王室は禁止法に縛られないというもの。つまり、女王の意向しだいで、宮殿で働くスタッフは白人のみにできる、ということだ。