日本の主要企業コロナワクチン「職域接種」取組状況まとめ
政府が新型コロナウイルスワクチンを職場で打つことを認めたことで、「職域接種」に向けた取り組みを打ち出す企業が相次いでいる。東京都で2月17日、代表撮影(2021年 ロイター)
企業が新型コロナウイルスワクチンを従業員に接種する「職域接種」の受付が8日、始まった。政府は「最低1000人に2回、計2000回程度の接種を行うことを基本」として人数や期間の計画を提出するよう求めているが、大規模接種はほぼすべての企業にとって未経験の事態。開始まで2週間を切り、各社で「手探りの突貫工事」(製造業の総務担当者)が行われている。
主な企業の取り組みは以下の通り。
ルネサスエレクトロニクス
21日の接種開始を目指し、政府へ申請を行った。まずは接種対象を従業員とし、その後ワクチン供給量や自治体の意向を確認した上で、従業員の家族や地域住民の方々への接種についても検討する。
東京海上ホールディングス
21日から本社ビルを接種会場として、東京23区内に勤務する東京海上日動などのグループ会社社員、最大1万人に対して接種を実施する準備を進めている。基礎疾患を持つ一部の家族も接種の対象とする。実施期間は8月末までを予定。今後、対象者や対象エリア(東京23区外や大阪、名古屋など)の拡大も検討していく。
日立製作所
東京都、神奈川県、茨城県の一部事業所で、グループ従業員を対象に、7月以降をめどに実施を検討中。
丸紅
本社ビル内で21日に開始し、8月中旬終了予定。対象者は丸紅本社ビル勤務者等の希望者全員で、4000―5000人程度を想定。
関西電力
21日以降、準備が完了し次第開始、終了時期は接種状況を踏まえて決定。接種場所は本店、原子力発電所。対象は関電・関西電力送配電の従業員とその家族、グループ会社従業員、協力会社従業員。接種規模は約月5000回で、予約状況に応じて柔軟に対応。
ソフトバンクグループ
21日から順次開始。ソフトバンクグループ、ソフトバンク、グループ会社の従業員・同居家族のほか、ソフトバンクショップやワイモバイルショップ、コールセンターに勤務するスタッフ合計10万人規模。まずWeWork乃木坂で実施し、都内の他拠点やその他地域にも接種会場を設ける予定。
NTT
7月以降、準備が整い次第、1日あたり750人、年内に計4万人分の職域接種を実施する方向。
楽天グループ
21日をめどに準備が整い次第、東京の楽天本社オフィス「楽天クリムゾンハウス」で開始し、地方支社でも接種会場を順次設ける予定。対象は、日本国内の楽天グループ会社従業員・楽天メディカルジャパン従業員(各間接雇用含む)、およびその家族。今後、条件が整えば、近隣住民を対象としたワクチン接種機会の無償提供も検討している。接種人数は計約6万人。
サントリーホールディングス
21日から国内の各事業所で順次開始。対象は国内グループ会社の従業員約1万9000人とその家族。従業員の接種は勤務時間扱いとし、副反応が出た場合は有給休暇を付与。