韓国駐在ベルギー大使のキャリアが妻の暴力で終わった瞬間
Belgium's South Korea Ambassador Loses Job After Security Footage Shows His Wife Slap A Shop Worker
万引きと間違われて店員を叩く大使夫人(右) South China Morning Post/YOUTUBE
<妻が韓国人店員をぶった動画が公開されて、ベルギー大使の解任が決まった。「とても落ち着いて職務を遂行できる状態ではなくなった」ためだ>
駐韓ベルギー大使が、ソウルの衣料品店で店員に暴行を加える妻の動画が韓国ネットユーザーの間で炎上したせいで、大使を解任された。
ソウルにあるベルギー大使館がフェイスブックで公開したプレスリリースによれば、ピーター・レスクイエ駐韓ベルギー大使は、妻が衣料品店の店員に暴行を加えたとされる問題を受け、駐韓大使の任を解かれたという。
「ピーター・レスクイエは過去3年にわたり、駐韓ベルギー大使の職務を献身的に務めてきた」と、リリースにはある。「だが現状では、これ以上、落ちついて職務をまっとうできないことがはっきりしていた......(ベルギーの)ソフィー・ウィルメス首相は、韓国におけるレスクイエ大使の任期を今夏で打ち切ることが、二国間関係にとって最善と判断した」
問題の動画はサウスチャイナ・モーニング・ポスト紙が入手し、4月上旬にフェイスブックに投稿した監視カメラ映像。レスクイエの中国人の妻、相雪秋(シャン・シュエチウ、63)が、女性店員の顔を平手打ちしているように見える。同紙の報道によれば、殴られた女性店員は、相雪秋が、店の商品を着たまま店を出ようとしていたと誤解したという。
店舗のマネージャーがその場をとりなそうとしたが、相雪秋は怒りをあらわにして店員を攻撃した。平手打ちされた店員の女性は、「顔が腫れ、目が充血した」状態になっている。
ソウルのベルギー大使館はフェイスブックで謝罪を公開。相雪秋は、暴行事件後に脳卒中の症状が出て入院したと述べていた。
「外交特権で逃げる」の報道でますます熱く
当初、相雪秋は「外交特権を主張」して刑事責任を逃れるつもりだとBBCが報道したため、韓国ではさらに騒ぎが大きくなった。だがベルギー大使館は「(相雪秋の)外交特権は......警察の要請により、放棄された」として、相雪秋が犯罪捜査に全面的に応じるとしている。
フェイスブックで公開された謝罪には、「駐韓ベルギー大使は、妻が関わった4月9日の事件を心から悔い、妻にかわって謝罪したいと考えている」と書かれている。「いかなる状況であれ、彼女の振る舞いは容認されるものではない。妻が入院した日に、大使は捜査が継続中であることを警察から知らされた」
「体調がじゅうぶんに回復したら、妻本人が警察へ行ってその調査に協力し、さらに、被害にあった店員に直接謝罪すると(レスクイエは)明言している」と投稿は続く。
大使館の最近のリリースでは、大使夫人が「店舗における自らの許されざる行動について、店員2名と私的に会って謝罪した」とも述べられている。レスクイエの後任者や、任期が終わる時期については明示されていなかった。
(翻訳:ガリレオ)