最新記事

中国

自己責任同意書:五輪選手は手術台への階段を上るのか

2021年5月31日(月)17時26分
遠藤誉(中国問題グローバル研究所所長)

このトーンを見る限り、日本国民の声を支持しており、IOCを批判していると受け取ることができる。

中国大陸のネットユーザーのコメント

中国大陸のウェイボー(Weibo)における一般ネットユーザーの声を拾ってみた。検索したサイトは、「日本のバカげた話(IOCと日本政府は同じ一本のズボンにそれぞれの足を入れてるんだよ)」「人民日報・体育」「新浪体育」あるいは「体育ホットスポット相談」・・・などなどである。個人的にもらったコメントもある。いずれも中国の庶民の率直な意見が表れている。以下、適宜列挙してみよう。

●オリンピックの開催権なんて、どうせ全て賄賂で決まってるんだから

●善人に対する生死誓約書さ

●なんてこった!これではまるで間接殺人じゃないか!

●選手は惨めだね。コロナに罹ったら、たとえ直ったとしても選手生命はそこで終わりなのに。

●行きたい人がいるなら行けばいいさ。中国全体が出場放棄してもおかしくないくらいなんじゃないか?あんなハイレベル段階の危険区域(日本)に行ってどうするつもりなんだい?

●両者(IOCと日本)の金銭的な取引はさておき、東京大会が中止になったら、来年の北京冬季五輪も中止になるのかな?

●東京ができなくなったら、また北京にいろいろイチャモンを付け始めるよ。

●選手たちよ、ボイコットしようぜ。あまりにリスクが高すぎるよ。

●利権と取引しかない。どこまで汚れているか。理念なんてとっくに死んでる。

●いや、これは良いアイディアかもしれないよ。北京冬季のときも、ぜひとも生死同意書にサインしてから参加してもらうといいよ。

●オリンピックも、もうお終いだな。それにしてもオリンピックの商業化を始めたのはアメリカなんだってことを忘れて欲しくないね。

(筆者注:この最後のコメントに関しては、Wikipedia「近代オリンピック」の「商業主義」の項目をご覧いただきたい。)

ショービジネス、利権と政権維持のために日本国民の命を犠牲にするのか?

オリンピック精神が、創始者であるクーベルタン男爵の理念から遠く離れ、商業主義に走り政治化していることは誰も否定しないだろう。そのようなことのために日本国民の命を犠牲にする価値がどこにあるのだろうか?

日本政府が、日本国民の命を犠牲にしてでも断固突き進む動機は何なのだろうか?

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

豊田織機の非公開化報道、トヨタ「一部出資含め様々な

ビジネス

中国への融資終了に具体的措置を、米財務長官がアジア

ビジネス

ベッセント長官、日韓との生産的な貿易協議を歓迎 米

ワールド

アングル:バングラ繊維産業、国内リサイクル能力向上
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
2025年4月29日号(4/22発売)

タイ・ミャンマーでの大摘発を経て焦点はカンボジアへ。政府と癒着した犯罪の巣窟に日本人の影

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 2
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは? いずれ中国共産党を脅かす可能性も
  • 3
    トランプ政権の悪評が直撃、各国がアメリカへの渡航勧告を強化
  • 4
    健康寿命は延ばせる...認知症「14のリスク要因」とは…
  • 5
    アメリカ鉄鋼産業の復活へ...鍵はトランプ関税ではな…
  • 6
    ロシア武器庫が爆発、巨大な火の玉が吹き上がる...ロ…
  • 7
    関税ショックのベトナムすらアメリカ寄りに...南シナ…
  • 8
    ロケット弾直撃で次々に爆発、ロシア軍ヘリ4機が「破…
  • 9
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 10
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 1
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 2
    「生はちみつ」と「純粋はちみつ」は何が違うのか?...「偽スーパーフード」に専門家が警鐘
  • 3
    「スケールが違う」天の川にそっくりな銀河、宇宙初期に発見される
  • 4
    【クイズ】「地球の肺」と呼ばれる場所はどこ?
  • 5
    女性職員を毎日「ランチに誘う」...90歳の男性ボラン…
  • 6
    教皇死去を喜ぶトランプ派議員「神の手が悪を打ち負…
  • 7
    『職場の「困った人」をうまく動かす心理術』は必ず…
  • 8
    自宅の天井から「謎の物体」が...「これは何?」と投…
  • 9
    「100歳まで食・酒を楽しもう」肝機能が復活! 脂肪…
  • 10
    トランプ政権はナチスと類似?――「独裁者はまず大学…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった...糖尿病を予防し、がんと闘う効果にも期待が
  • 3
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 4
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 5
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 6
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 7
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 8
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 9
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中