最新記事

ドキュメンタリー

専門家でさえ初めて見るクジラの貴重映像...海の神秘に迫ったJ・キャメロン

They’re Just Like Us

2021年5月21日(金)18時40分
キャスリーン・レリハン

210525P58_JCR_05.jpg

水中写真家のスケリー STEVE DE NEEF

『アバター』は「スクリーンに登場した最も叙事詩的な環境問題作品」と評された。同じストーリーテリングの力を用いて、キャメロンはあからさまでないやり方でクジラの保護を訴える。

本作は見る者をクジラの世界へいざない、人間とどれほど似ているかを伝える。親近感とともに畏敬の念を抱くことができれば、クジラのすみかや文化の保護に目覚めると考えてのことだ。

「ファンタジーの世界のSFアクション」である『アバター』では先住民の権利、彼らの文化が直面する脅威への意識を高めることができたと、キャメロンは言う。その手段が、別の惑星に住む青い肌の神話的な巨人種族、ナビの文化を創造することだった。

「『アバター2』と『アバター3』でも、環境保護というメッセージを押し付けはしない。これは良心あるエンターテインメント作品だから」

ナビたちは「あなたが見える」という言葉で挨拶を交わす。『クジラと海洋生物たちの社会』は同様に、相手の存在を認め、受け入れる。海に生きるクジラという生命体を認識し、その奥深い在り方と、私たち人間との結び付きと保護責任を見据える。

クジラにしてきた数々の仕打ちにもかかわらず、彼らは人間を信頼してさえいるかのようだ。ならば私たちは今、何をするべきか?

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米国債価格が上昇、財務長官にベッセント氏指名で

ワールド

プラスチック条約、最後の政府間議始まる 米の姿勢変

ビジネス

米財務長官指名のベッセント氏、減税と関税が優先事項

ワールド

新たな貿易戦争なら欧米双方に打撃、独連銀総裁が米関
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:超解説 トランプ2.0
特集:超解説 トランプ2.0
2024年11月26日号(11/19発売)

電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 2
    「ダイエット成功」3つの戦略...「食事内容」ではなく「タイミング」である可能性【最新研究】
  • 3
    「このまま全員死ぬんだ...」巨大な部品が外されたまま飛行機が離陸体勢に...窓から女性が撮影した映像にネット震撼
  • 4
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 5
    寿命が5年延びる「運動量」に研究者が言及...40歳か…
  • 6
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
  • 7
    北朝鮮は、ロシアに派遣した兵士の「生還を望んでい…
  • 8
    クルスク州のロシア軍司令部をウクライナがミサイル…
  • 9
    元幼稚園教諭の女性兵士がロシアの巡航ミサイル「Kh-…
  • 10
    「典型的なママ脳だね」 ズボンを穿き忘れたまま外出…
  • 1
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 2
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 3
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 4
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 5
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 6
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
  • 7
    北朝鮮は、ロシアに派遣した兵士の「生還を望んでい…
  • 8
    Netflix「打ち切り病」の闇...効率が命、ファンの熱…
  • 9
    「このまま全員死ぬんだ...」巨大な部品が外されたま…
  • 10
    2人きりの部屋で「あそこに怖い男の子がいる」と訴え…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 4
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋…
  • 5
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大き…
  • 6
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 7
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 8
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 9
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 10
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中