日本の高校生はアメリカの3倍、授業中に居眠りしている
日本の高校生は部活の朝練や深夜にまで及ぶ塾通いで疲れ切っているのか PeopleImages/iStock.
<体質が夜型になりやすい青年期の生徒に、部活の朝練や朝の補習で早寝早起きを強いるのは好ましくない、という指摘も>
国際化が進んでいるが、日本に来た留学生が驚くのは、学生が教室で居眠りをしていることだ。筆者も大学で10年ほど教えたが、学生の居眠りにはよく遭遇した。だがとがめることはしなかった。授業に興味が持てないのだろう、バイトで疲れているのだろう、授業妨害ではない――。こう解釈していた。日本の大学には、こういう(やさしい)教員が多いかと思う。
しかし欧米はそうではなく、授業中に居眠りなどしたら教室から追い出される。日本では職場で居眠りをする人もいるが、「母国だったらクビになりかねない」と国外の人の目には奇異に映るようだ。
2017年に国立青少年教育振興機構が実施した高校生の国際比較調査で、授業中に居眠りをする頻度を尋ねている。日本とアメリカの生徒の回答分布を比べると<図1>のようになる。
同じ高校生だが、回答はかなり違っている。「よくする」と「時々する」の割合は、日本では63.1%だがアメリカでは17.2%だ。日本の生徒の居眠り率は、アメリカの3倍を超えている。
日本の生徒は、部活の朝練や深夜まで及ぶ塾通い等で疲れ切っているのか。生徒の生活や教師の厳しさの違いで片付けるのは簡単だが、もっと大きな国民性に照らすと、日本では勉強・仕事をする時と休む時、「オン・オフ」の境界が曖昧なことも要因だろう。