最新記事

パンデミック

インド、1日当たりのコロナ死者3780人で最多更新 変異株が猛威

2021年5月6日(木)09時15分

インドで過去24時間の新型コロナウイルス感染による死者が3780人となり、1日当たりの死者数として過去最多を更新した。火葬を待つ遺体、ニューデリーで4日撮影。(2021年 ロイター/Danish Siddiqui)

インドで過去24時間の新型コロナウイルス感染による死者が3780人となり、1日当たりの死者数として過去最多を更新した。前日には感染者が累計で2000万人を超えている。

保健省のデータによると、過去24時間の新規感染者は38万2315人。

感染力の強いインド型の変異株が広がり、病院ではベッドや酸素が不足、救急車や駐車場でベッドの空きや酸素吸入を待つ中で亡くなる人が増えており、遺体安置所や火葬場は対応が追い付かない状況だ。

インド政府の科学顧問は5日、時期は不確定としつつも、「感染第3波の到来は不可避」とし、新たな流行に備えるよう、政府に提言した。

世界保健機関(WHO)の週間報告書によると、先週時点でインドの新型コロナ感染者数は世界全体の約半分、死者は4分の1を占めた。

現時点でインドの累計の感染者数は2000万人強。パンデミック(世界的大流行)が始まってから、約10カ月で初めの1000万人に達した後、わずか4カ月強で2000万人に拡大した。

医療専門家は、実際の感染者・死者数が公式発表の5─10倍に上る可能性を指摘する。

感染第2波を防げなかったとしてモディ政権の対応への批判が強まっている。

ピユシュ・ゴヤル鉄道相のツイートによると、液体酸素を積んだ列車2本が5日、首都デリーに到着した。これまでに25本を超える列車でインド各地に酸素が運ばれているという。

野党からは全土のロックダウン(都市封鎖)を求める声が上がっているが、政府は経済への影響を懸念し、導入に消極的だ。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2021トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・誤って1日に2度ワクチンを打たれた男性が危篤状態に
・新型コロナ感染で「軽症で済む人」「重症化する人」分けるカギは?
・世界の引っ越したい国人気ランキング、日本は2位、1位は...


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

トランプ氏政策、インフレ抑制妨げの可能性を懸念=F

ワールド

トランプ政権、NY渋滞税の認可を撤回 MTAは提訴

ビジネス

1月の米住宅着工件数9.8%減、一戸建て不振 寒波

ビジネス

米電動トラックの二コラが破産申請、EV市場の失速響
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ウクライナが停戦する日
特集:ウクライナが停戦する日
2025年2月25日号(2/18発売)

ゼレンスキーとプーチンがトランプの圧力で妥協? 20万人以上が死んだ戦争が終わる条件は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 3
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「20歳若返る」日常の習慣
  • 4
    1月を最後に「戦場から消えた」北朝鮮兵たち...ロシ…
  • 5
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 6
    7年後に迫る「小惑星の衝突を防げ」、中国が「地球防…
  • 7
    ロシアは既に窮地にある...西側がなぜか「見て見ぬふ…
  • 8
    「トランプ相互関税」の範囲が広すぎて滅茶苦茶...VA…
  • 9
    墜落して爆発、巨大な炎と黒煙が立ち上る衝撃シーン.…
  • 10
    朝1杯の「バターコーヒー」が老化を遅らせる...細胞…
  • 1
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ...犠牲者急増で、増援部隊が到着予定と発言
  • 2
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 3
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 4
    墜落して爆発、巨大な炎と黒煙が立ち上る衝撃シーン.…
  • 5
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 6
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 7
    朝1杯の「バターコーヒー」が老化を遅らせる...細胞…
  • 8
    7年後に迫る「小惑星の衝突を防げ」、中国が「地球防…
  • 9
    週に75分の「早歩き」で寿命は2年延びる...スーパー…
  • 10
    イスラム×パンク──社会派コメディ『絶叫パンクス レ…
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 4
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のア…
  • 5
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 6
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 7
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 8
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果…
  • 9
    戦場に「杖をつく兵士」を送り込むロシア軍...負傷兵…
  • 10
    「DeepSeekショック」の株価大暴落が回避された理由
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中