世界各地にひっそりと繁茂する「ヘンな生態」の植物たち
Plants Around the World
08:ミルラノキ
イエメン
トゲのある低木。樹皮が傷つくと修復のためゴム樹脂を分泌し、それが固まると赤褐色の堅い塊になる。これが生薬として珍重される没薬(もつやく)で、香水などにも利用される。古代エジプトではミイラの防腐剤として使われていた。
09:ヘンナ
パキスタン
中東と南アジアの乾燥地に自生する低木。白か淡いピンクの花はほのかな香りを放ち、高価な香水の原料になる。葉を乾燥させてパウダー状にしたものをレモン水などで溶くと人体にも使える赤褐色の染料になる。南アジアの女性たちは古くからこれで爪や手足などに凝ったペイントを施していた。白髪染めにも使える。
10:イチョウ
日本
長寿の木として知られ、樹齢1000年を超えるものもある。明るい緑の葉は秋になると黄金色に変わる。イチョウ科の仲間は中生代ジュラ紀に繁栄したが、1種だけを残して全て絶滅。街路樹などでおなじみの現生種は「生きた化石」と呼ばれている。
11:西オーストラリアのクリスマスツリー
オーストラリア
毎年クリスマスが近づくと鮮やかなオレンジ色の花を付けるためこの名が付いた。オーストラリア南西部の荒地で大いに栄えているのは半寄生植物だから。近くの植物の根からちゃっかり水と栄養分をもらっている。
『80植物世界一周』
AROUND THE WORLD IN 80 PLANTS
ジョナサン・ドロリ著(2021年 ローレンス・キング刊)
身近な草花から奇妙な毒草まで世界各地の80種の植物を歴史や文化と絡めて美しいイラスト付きで紹介。
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