日米首脳、中国を強くけん制 共同声明に台湾やウイグル明記
5G開発で米25億・日20億ドル投入
両首脳は、技術や経済分野でも協力する方針も確認した。高速通信網5G技術、経済活動で欠かせなくなった半導体の供給網構築、人工知能(AI)の分野で連携する。
共同声明は中国の華為技術(ファーウェイ)を念頭に、 「第5世代(5G)無線通信が安全で開かれたものであるためには、信頼できる通信機器メーカーに依存することが重要」と強調した。
高速通信網5Gや、その先の通信技術を開発するため、米国は25億ドル、日本は20億ドルを投じるとの目標も明記した。通信技術に巨額の投資をする中国に対し、日米で連携する。
また、知的財産権の侵害や強制的な技術移転、産業補助金などについて対処するとの表現も声明に盛り込んだ。
バイデン氏は会見で、「日本と米国は技術革新に深く注力しており、未来を見据えている」とし、「われわれの競争力を維持、強化する技術の投資や保護を確実にする」と述べた。
五輪開催努力を大統領支持
このほか、日米が温暖化ガスの排出削減を主導し、脱炭素化やクリーンエネルギーに関する「日米気候パートナーシップ」を立ち上げることでも合意した。
今夏の東京五輪・パラリンピックについては、「菅首相による安全安心な五輪を開催するための努力をバイデン大統領は支持した」との一文を共同声明に入れた。米側は選手団の派遣を確約したかと会見で問われた菅首相は、明言を避けた。
菅首相は会談後、ワシントンにあるシンクタンク、戦略国際問題研究所(CSIS)主催のイベントでオンライン形式で講演した。国軍が市民を弾圧するミャンマー、新疆ウイグル自治区、民主化が後退する香港などについて、具体的行動を取ると語った。その一方で、中国とは安定して建設的な関係を築きたいとも述べた。
*内容を追加しました。
(竹本能文、David Brunnstrom、Trevor Hunnicutt、外報デスク 編集:久保信博)
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