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脳科学脳とマシンをつなぐ埋め込み型デバイスで、サルが思考だけでゲームすることに成功した
脳にチップを埋め込んだ猿が思考だけで卓球ゲーム「ポン」をプレイした...... neuralink-YouTube
<イーロン・マスクが設立したニューラリンク社は、ヒトの脳とコンピュータをつなぐ「ブレイン・マシン・インターフェイス」の研究開発をすすめているが、チップを埋め込んだサルが思考だけでビデオゲームをプレイすることに成功した...... >
米国の起業家イーロン・マスク氏が2016年7月に創設したニューロテクノロジー企業「ニューラリンク」は、ヒトの脳とコンピュータをつなぐ「ブレイン・マシン・インターフェイス(BMI)」の研究開発をすすめている。
思考だけで卓球ゲーム「ポン」をプレイした
2020年8月、3匹の子ブタを用いて、埋め込み型ブレイン・マシン・インターフェイスデバイスのプロトタイプ「リンク0.9」のデモンストレーションを実施したのに続き、2021年4月8日、脳に「N1リンク」を埋め込んだサルが思考だけでビデオゲームをプレイする動画を公開した。
Monkey MindPongニューラリンクは、1024本の電極を用いて神経活動を記録し、そのデータを無線通信によりリアルタイムで外部のコンピュータに送信する埋め込み型デバイス「N1リンク」を9歳のオスのマカクザル「ペイジャー」に埋め込んだ。手と腕の動きを司る左右2カ所の運動皮質に「N1リンク」が配置されている。
ペイジャーは、ゲーム用ジョイスティックを使ってスクリーン上のカーソルを移動させ、白いドットをオレンジ色のマスに入れるゲームを行った。成功すると銀のストローから好物のバナナスムージーが得られる仕掛けだ。ゲーム中、ペイジャーの神経活動は2000本以上の電極によって絶えず記録され、Bluetoothによって、25ミリ秒ごとに、復号化ソフトウェアを実行中のコンピュータへと転送される。
ニューラリンクは、これらのデータを復号化アルゴリズムに与え、神経活動のパターンと意図した運動方向をモデル化。ペイジャーが意図する手の動きの方向や速度を予測し、この予測をもとにコンピュータ上のカーソルの動きをリアルタイムで制御することに成功した。
ペイジャーは、ゲーム用ジョイスティックがコンピュータと接続されていない状態でも、意に沿ってカーソルを動かし続けた。また、動画の後半では、ペイジャーが、ゲーム用ジョイスティックを用いることなく、思考だけで卓球ゲーム「ポン」をプレイする様子も映っている。
「2021年末までに、ヒト臨床試験を開始できるかもしれない」
Neuralink is working super hard to ensure implant safety & is in close communication with the FDA. If things go well, we might be able to do initial human trials later this year.
— Elon Musk (@elonmusk) February 1, 2021
ニューラリンクでは、ブレイン・マシン・インターフェイスが、アルツハイマー病やパーキンソン病などの神経疾患の治療に役立つと考えている。マスク氏は、「麻痺のある人が、親指を使うよりも早く頭の中でスマホを操作できるようになる」とツイートした。2021年2月には、その安全性の検証をすすめるとともに、アメリカ食品医薬品局(FDA)と密接にやり取りしていることを明かし、「2021年末までに、ヒト臨床試験を開始できるかもしれない」との見通しを示した。