アマゾンに慣れきった私たちに、スエズ運河の座礁事故が教えてくれること
Ending Our Sea Blindness
また「スエズ運河とイギリス海峡、そしてマラッカ海峡は、船舶の航行を妨害するのが非常に簡単だ」と、マギャリーは指摘する。この3カ所を攻撃すれば、世界の海運に急ブレーキをかけることができる。悪質な勢力がまだ実行していないことが、むしろ不思議なほどだ。
世界中の物資が手に入ることを当然と考えて、国際海運の脆弱性に気付かないのは、富裕国の病気と言うこともできる。だが、その病気は治癒することができる。なにも趣味で航行する船舶まで全て追跡しろと言っているのではない。ただ、グローバル・ロジスティクスという奇跡を可能にしている仕組みを、私たちは基礎から学ぶ必要がある。
「アマゾンで買い物をしたら、それが翌日届くことを誰もが期待して、遅れればイライラするだろう」と、ロックウッドは言う。
私たちに必要とされているのは、そこでイライラするのではなく、翌日配送を可能にしている無数の人々のシームレスな働きと、素晴らしくも脆弱なテクノロジーに気が付くことだ。
2024年11月26日号(11月19日発売)は「超解説 トランプ2.0」特集。電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること。[PLUS]驚きの閣僚リスト/分野別米投資ガイド
※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら