最新記事

南シナ海

フィリピン国防相、EEZ内の中国船居座り改めて非難 「占拠海域を拡大」

2021年4月5日(月)08時55分

フィリピンのロレンザーナ国防相は4月4日、同国が南シナ海に有する排他的経済水域(EEZ)に中国船が多数居座っている問題を巡り、中国が占拠海域を広げることを狙っていると改めて非難した。2017年2月、マニラで撮影(2021年 ロイター/Romeo Ranoco)

フィリピンのロレンザーナ国防相は4日、同国が南シナ海に有する排他的経済水域(EEZ)に中国船が多数居座っている問題を巡り、中国が占拠海域を広げることを狙っていると改めて非難した。

ロレンザーナ氏は「中国の武装海上民兵がこの海域に存在し続けていることから、西フィリピン海(南シナ海のフィリピン名)で彼らが占拠(海域)をさらに広げる意図があるとはっきり分かる」と強調した。フィリピン当局の集計に基づくと、同国のEEZ内にあるウィットサン礁付近に一時200隻を超える中国船が停泊していた。

ロレンザーナ氏は3日にも、天候が回復したにもかかわらず、まだウィットサン礁に44隻の中国船がいると指摘。「私はばかではない。このところ天候はずっと良いので、彼らがそこにとどまる理由はない」と発言した。

中国側は悪天候から避難するための行動で、船に武装民兵はいないと主張している。また在マニラ中国大使館は、中国船にとってこの海域で漁業活動をして、荒天時にウィットサン礁近くに待避するのは「完全に普通のこと」であり、そうした行動に対して「理不尽な」言動をする権利は誰にもないと反論した。



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2021トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・新型コロナが重症化してしまう人に不足していた「ビタミン」の正体
・世界の引っ越したい国人気ランキング、日本は2位、1位は...



今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米副大統領、トランプ氏を擁護 プーチン氏との会談巡

ワールド

ゼレンスキー氏、米特使と会談 投資と安保「迅速な合

ワールド

トランプ氏のガザ構想は「新機軸」、住民追放意図せず

ビジネス

トランプ関税巡る市場の懸念後退 猶予期間設定で発動
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ウクライナが停戦する日
特集:ウクライナが停戦する日
2025年2月25日号(2/18発売)

ゼレンスキーとプーチンがトランプの圧力で妥協? 20万人以上が死んだ戦争が終わる条件は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 3
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン化」の理由
  • 4
    ビタミンB1で疲労回復!疲れに効く3つの野菜&腸活に…
  • 5
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 6
    飛行中の航空機が空中で発火、大炎上...米テキサスの…
  • 7
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 8
    ソ連時代の「勝利の旗」掲げるロシア軍車両を次々爆…
  • 9
    トランプ政権の外圧で「欧州経済は回復」、日本経済…
  • 10
    ロシアは既に窮地にある...西側がなぜか「見て見ぬふ…
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ...犠牲者急増で、増援部隊が到着予定と発言
  • 3
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 4
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 5
    朝1杯の「バターコーヒー」が老化を遅らせる...細胞…
  • 6
    墜落して爆発、巨大な炎と黒煙が立ち上る衝撃シーン.…
  • 7
    7年後に迫る「小惑星の衝突を防げ」、中国が「地球防…
  • 8
    週に75分の「早歩き」で寿命は2年延びる...スーパー…
  • 9
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン…
  • 10
    「トランプ相互関税」の範囲が広すぎて滅茶苦茶...VA…
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 4
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のア…
  • 5
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」…
  • 6
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 7
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 8
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 9
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 10
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中