米艦船が台湾海峡を通過──演習、挑発を急増させる中国と一触即発に
U.S. Warship, Carrier Ramp Up Maneuvers in Taiwan Strait and South China Sea
ジョン・S・マケインは米軍艦としてバイデン政権で初めて、中国と台湾を隔てる不安定な海峡を2月に通過した。台湾や日本を含む近隣諸国が中国の軍拡政策への懸念を強める中で、バイデンが地域の安全と安定を重視する姿勢を示したと、専門家たちには捉えられている。
それぞれ2月と3月に行われた米海軍のミサイル駆逐艦「カーティス・ウィルバー」と「ラッセル」の台湾海峡通過に対しても、中国政府は同様の非難を表明した。
また、米海軍による他の地域での活動についても「力の誇示」と批判している。複数の報道によれば、米海軍の空母セオドア・ルーズベルトは、マレーシア空軍との合同演習を6~7日に控えた4日、空母打撃軍とともに南シナ海に戻っている。
中国海軍の関係者は5日、空母遼寧が率いる小規模な編成タスクグループ(任務群が、「台湾近くの海域で」演習を実施していると述べていた。遼寧は、中国初の戦闘能力を持つ空母であり、現在は遠洋訓練のため太平洋に配備されている。
今回の米海軍による台湾海峡通過は、遼寧が台湾の東側で行った演習を受けたものなのかという質問を受けた米国防総省の報道官ジョン・カービーは、「我々が世界中で実施する『航行の自由』作戦は、特定の出来事や、他国の特定の行動に対応するためではない」と否定した。
「我々が国際法と、すべての国が国際法に従って航行、活動、飛行する自由について、どれほど強く信奉しているかというメッセージを送るためだ」
カービーは、さらにこう続けた。「海洋の自由は、魚や氷山のためだけに存在するのではない。この作戦を行う目的は、まさにそうした概念を強化することにある」