コロナ禍の今こそ知りたい世界の病院トップ200
THE WORLD’S BEST HOSPITALS 2021
ILLUSTRATION BY GRIVINA/ISTOCK
<コロナ禍で多くの人が痛感した、身近にある優れた医療のありがたさ。どの病院を選ぶかは時として、あなたや家族の生死を左右する>
定評のある世界的なデータ調査会社スタティスタと提携して、本誌米国版が世界中の病院ランキングを発表し始めてから3年目。皮肉なもので、今回は最も注目を集めそうだ。
新型コロナウイルスの世界的な感染爆発で、私たちは今さらながら思い知らされた。私たちの、そして私たちの愛する人の命は「どこで、どんな医療を受けられるか」に大きく左右されることを。
このランキングは、膨大なデータと専門家の意見を基に、世界25カ国の病院を評価して作成された。上位にランクインした病院は、名だたる名医や一流の看護に加えて最新の技術や設備を備えるなど、一貫して優れた医療を提供している。
もちろん、病院に行って診察や治療を受けないで済めば、それに越したことはない。知人や家族・親族を見舞いに行かないで済めば、それに越したことはない。でも、そうせざるを得なくなったときは、きっとこのリストが役に立つ。
病院へのリンクが付いた米国版掲載のランキングはこちらから。
1位 メイヨー・クリニック
米ミネソタ州 ロチェスター
1889年にウィリアムとチャールズのメイヨー兄弟を中心とする医師たちによって創設された診療所が、今では米国内の5州を含め、世界各地に数十の系列病院を展開している。世界全体のスタッフ数は6万人を超えるが、その半数以上は創業の地ロチェスターの病院に所属。
先駆的なチーム医療や治療と並行して研究にも重点を置くアプローチを通じて、複雑な疾患の治療で高い評価を確立している。今年2月には同病院の外科チームが、新型コロナウイルス感染症を併発していた大学スポーツ選手の肝臓移植手術を世界で初めて成功させた。
2位 クリーブランド・クリニック
米オハイオ州 クリーブランド
今年で創立100年を迎える老舗で、今や米国内と世界各地に18の病院(病床数合計6000以上)と220超の診療所を有する大病院に成長。2019年には240万人の患者を治療し、30万9000人の入院患者を受け入れ、外科手術を含む処置を25万5000件手掛け、約1000万件の外来診療に対応した。
クリーブランドの本部病院は1950年代から心臓病の治療や心臓手術で世界をリードしており、1960年代には冠動脈バイパス手術で大きく躍進した。現在は子宮移植手術でも先端的な役割を果たしており、2019年には死亡したドナーから移植された子宮での出産を成功させている。