ブレグジット後は日本と仲良くなりたいイギリスの事情
“GLOBAL BRITAIN” AND JAPAN
ただし対中政策については日英の立場に違いがあり、両国関係に亀裂を生みかねない。
その点を強く示唆するのが、イギリスの提唱する「民主主義10カ国(D10)連合」だ。イギリスは6月に自国で開催するG7首脳会議に、オーストラリア、インド、韓国という3つの民主主義国を加えて、5G技術のように政治的な意味合いを含む問題を議論したい意向だ。ここには覇権主義を強める中国に対抗する狙いもある。
日本側はD10創設によって外交面での地位が脅かされると感じたのか、この動きへの懸念を示したと1月に報じられた。何より、長年のライバルである韓国を主要国として取り込むことを警戒した可能性が高い。
日英両国にとっては、イギリス側の野望の大半が抽象的な議論にとどまっている状況が一番なのかもしれない。EU離脱後のイギリスが日本、そしてアジア太平洋地域に対して抱く期待を現実のものにするには、これまでの年月で効果が実証されている「目立たない外交」が重要になる可能性がある。
From thediplomat.com