「制裁逃れの多発地」の悪評を覆すマレーシアの英断が、北朝鮮を追い詰める
Prosecuting North Korea
一例が、北朝鮮のハッカー集団ラザルス・グループが行ったとされる過去最大のサイバー銀行強盗事件だ。標的になったバングラデシュ中央銀行は手薄なセキュリティー対策や知識不足の穴を突かれ、8100万ドルを奪われた。
ムンの身柄引き渡しは東南アジアの金融機関や法人にとって、より断固とした態度で北朝鮮の違法活動に臨むインセンティブになるだけでない。マレーシア以外のASEAN加盟国に、北朝鮮の犯罪者の受け入れ拒否を促すことも期待できる。
ムンに対するマレーシア最高裁の最終決定は、同国の公共機関の正統性を強化し、法的義務を遂行する責任ある国というイメージを打ち立てるための重大な一歩だ。
北朝鮮の制裁逃れや金融犯罪は今後も続く可能性が高い。それでも東南アジアは今や、取り組みの手本となる新たな先例を手にしている。
From thediplomat.com
2024年11月26日号(11月19日発売)は「超解説 トランプ2.0」特集。電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること。[PLUS]驚きの閣僚リスト/分野別米投資ガイド
※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら