最新記事

セレブ

トランプ時代を経験した今、ネット発信で稼ぎたがる政治家には要注意

Politics and Celebrity

2021年3月13日(土)16時30分
ウィラ・パスキン
オバマ元米大統領(左)とミシェル夫人(右)

ブルース・スプリングスティーンとオバマはポッドキャストを始め、ミシェル・オバマはパペットたちと共演 PHOTO ILLUSTRATION BY SLATE. PHOTOS BY LEIGH VOGELーWIREIMAGEーGETTY IMAGESーSLATE AND ADAM ROSE/NETFLIXーSLATE

<オバマ夫妻やクリントン一家といった政界著名人がコンテンツ制作に励む理由>

私たち2人がそれぞれに歩んできた道をたどり、その遍歴とアメリカという国の未来をつなぎたい――。

去る2月22日、バラク・オバマはそう語って、新たにブルース・スプリングスティーンと組んでポッドキャストを始めると発表した。題して「レネゲイズ(反逆者):ボーン・イン・ザ・USA」。トランプ政権の4年間にも希望を失わず、いつも上を向いていたオバマらしいタイトルだ。

彼は今もアメリカの理想を信じているが、今のアメリカが道を見失っていることにも気付いている。何とかしたい。そう思えばこそ立ち上げたプロジェクトなのだろう。

元大統領のオバマと、「ボス」と呼ばれるスプリングスティーン。多くのアメリカ人から敬愛される2人が一緒になって「ノスタルジアではなく、行く手を阻む難関を越えていくための指針を示す行為として、アメリカの理想に対する深い信念」を語りだそうとする番組だ。

その思いは分かる。この2人が熱く語るなら、たくさんの愛聴者がつくのは確実だ。しかし、政治とコンテンツビジネスがこんなふうにくっつくのは本当によいことなのだろうか。

「レネゲイズ」の制作会社はオバマ夫妻の立ち上げたハイアー・グラウンド・プロダクションズ。同社はミシェルのポッドキャストやテレビ番組も扱っている。

その中の1つが、ヤングアダルト小説が原作で、居留地で起きた犯罪を捜査するアメリカ先住民のティーンの物語。もう1つは、黒人少女の科学者が活躍する絵本『せかいはふしぎでできている!』(邦訳・絵本塾出版)が原作のアニメシリーズだ。

つまり、オバマ夫妻が送り出す番組は従来のテレビ番組とはテーマの設定も主役の人種・民族的属性も異なる。これは好ましい変化だし、番組としてのクオリティーもけっこう期待できそうだ。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

10月全国消費者物価(除く生鮮)は前年比+2.3%

ワールド

ノルウェーGDP、第3四半期は前期比+0.5% 予

ビジネス

日産、タイ従業員1000人を削減・配置転換 生産集

ビジネス

ビットコインが10万ドルに迫る、トランプ次期米政権
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:超解説 トランプ2.0
特集:超解説 トランプ2.0
2024年11月26日号(11/19発売)

電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対する中国人と日本人の反応が違う
  • 2
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 3
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 4
    Netflix「打ち切り病」の闇...効率が命、ファンの熱…
  • 5
    【ヨルダン王室】生後3カ月のイマン王女、早くもサッ…
  • 6
    元幼稚園教諭の女性兵士がロシアの巡航ミサイル「Kh-…
  • 7
    NewJeans生みの親ミン・ヒジン、インスタフォローをす…
  • 8
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 9
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 10
    ウクライナ軍、ロシア領内の兵器庫攻撃に「ATACMSを…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査を受けたら...衝撃的な結果に「謎が解けた」
  • 3
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り捨てる」しかない理由
  • 4
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 5
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 6
    アインシュタイン理論にズレ? 宇宙膨張が示す新たな…
  • 7
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
  • 8
    クルスク州の戦場はロシア兵の「肉挽き機」に...ロシ…
  • 9
    沖縄ではマーガリンを「バター」と呼び、味噌汁はも…
  • 10
    メーガン妃が「輝きを失った瞬間」が話題に...その時…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大きな身体を「丸呑み」する衝撃シーンの撮影に成功
  • 4
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 5
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 6
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 7
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 8
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
  • 9
    モスクワで高層ビルより高い「糞水(ふんすい)」噴…
  • 10
    ロシア陣地で大胆攻撃、集中砲火にも屈せず...M2ブラ…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中