赤ちゃんの手足が真っ青に──コロナ関連小児多臓器症候群(MIS-C)の恐怖
Girl's Feet Turned Blue by COVID-Linked Illness MIS-C
両親はただ泣き崩れた ostinbids-iStock.
<家族そろってコロナから回復、ほっとしていたある日、保育園から緊急の連絡が......>
生後5カ月の娘が新型コロナウイルス感染後しばらく経ってから、手足が真っ青になって救急搬送された――そんな恐ろしい体験をオハイオ州在住の女性が語った。
体験談を公開したのは看護師のローレン・グラント。フェイスブックに娘のマデリンが、新型コロナウイルスの関連症状である「小児多臓器炎症候群=MIS-C (Multisystem Inflammatory Syndrome in Children)」に罹患したと書き込んだ。
MIS-Cでは心臓や肺、腎臓や脳、皮膚、消化器など全身のさまざまな部位で炎症が起きる。原因は不明だが、米疾病対策センター(CDC)によれば、MIS-Cを発症した子供の約99%は新型コロナウイルス検査で陽性だったという。残りの1%の子供も、身近にコロナ感染者がいた。
「(娘の)炎症反応は心臓や血管で起きていたようです。そう、これはまさに、皆さんがニュースで聞いたことがあるかも知れない症状です」と、グラントは書いた。「とても恐ろしい症状です。新型コロナウイルスのことを絵空事だと今でも思っている人がいたら、この投稿の先を読んで欲しいと切に願います」
両親は不安に駆られてただただ泣いた
フェイスブックの投稿によれば、グラントの家族はしばらく前、全員が新型コロナウイルス感染症と診断された。
「私たちはみんな回復したので、マデリンもよくなっていると思っていました。でも間違っていました。だから私はここで皆さんに経験を伝えているのです。最近、コロナにかかった小さいお子さんがいる人の助けになればと思って。油断しないで、自分の直感を信じて下さい!」
その日、マデリンはグラントの夫に連れられて保育園に登園。だがしばらく経って、保育園の職員からグラントに、マデリンの手足が青くなっているとの連絡が来た。
「お迎えに行って、娘の呼吸が速いことに気がついた」とグラントはテレビ局WCNCの取材に語った。「本当に恐ろしかった。まず母として、何か悪いことが起きていると直感した。そして次に看護師として、この子は十分な酸素が吸えていないと直感した。私も夫も、娘が助かるかどうか不安で、ただそばで泣いた」
マデリンは病院に救急搬送された。脈が異常に速く、医師らはマデリンの心臓が炎症を起こしていることに気付いた。