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感染症対策アストラゼネカ製ワクチン、米治験で79%の効果 血栓リスク増加なし
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英アストラゼネカは22日、英オックスフォード大学と開発した新型コロナワクチンについて、米国とチリ、ペルーで行われた大規模臨床試験(治験)で79%の予防効果が示されたほか、血栓リスクの増加は見られなかったと発表した(2021年 ロイター/Dado Ruvic)
英アストラゼネカは22日、英オックスフォード大学と開発した新型コロナワクチンについて、米国とチリ、ペルーで行われた大規模臨床試験(治験)で79%の予防効果が示されたほか、血栓リスクの増加は見られなかったと発表した。
アストラゼネカは向こう数週間以内に米国で緊急使用承認を申請する構えだ。
治験はあらゆる年齢層の3万2000人超を対象に実施。このうち65歳以上の被験者は全体の約2割に上った。重篤化や入院には100%の予防効果が見られ、安全性も示されたという。
ロンドン大学衛生熱帯医学大学院(LSHTM)の薬剤疫学教授、スティーブン・エバンズ氏は「ワクチンの効果が非常に高く、高齢者に対する有効性も目立った減退は確認されなかった」と述べた。
同ワクチンを巡っては、接種後に血栓ができるなどの副反応が疑われる事例が報告されたことを受け、欧州連合(EU)内でも安全性を巡る議論が行われていた。
アストラゼネカは独立した安全性委員会を設置。米国の臨床試験における血栓の事例のほか、極めてまれな脳内血栓である脳静脈洞血栓症(CVST)について検証を行った。
その結果、「1回以上接種を受けた2万1583人の中に、血栓症または血栓症を特徴とする事象のリスクは増加しなかった。CVSTについても、この試験では事例は認められなかった」と結論付けた。
アストラゼネカは米国内での緊急使用許可獲得に向け、このデータを食品医薬品局(FDA)に提出する準備を行っている。
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