ワクチン接種が当日キャンセル──予約した1500人のうち900人が無資格者の横入りだった
COVID Vaccine Clinic Closes as Ineligible Line-Cutters Register for Shots
閉鎖した百貨店を利用したワクチン接種会場。まだ資格がないのに紛れ込もうとする人も後を絶たない(1月21日、カリフォルニア州チュラビスタ) Mike Blake-REUTERS
<専用会場でのワクチン接種に予約を入れた人の半数以上が州規定の接種対象グループに含まれず市当局がいったん中止を決定>
米カリフォルニア州パサデナでは、3月11日に予定されていた新型コロナウイルスのワクチン接種を予約した人の半数以上が、同州の優先順位では接種資格がない「横入り」の人々だった。同市の広報担当者であるリサ・ダーダリアンが本誌に明かした。
市当局は、接種資格がない人々の予約が殺到したことを受けて、11日に予定されていた専用会場でのワクチン接種の延期を決定。次の日程はまだ決まっていないが、15日からの週に実施したい考えだという。
ダーダリアンによれば、11日のワクチン接種には1500人を超える人が予約を入れていたが、そのうち900人以上が「接種資格なし」と見なされた。資格なしと判断されたのは、職場や居住地がパサデナではない人々や、州の規定でワクチン接種の優先グループには含まれない人々だ。
接種資格のない人が少人数ならば、まだその場で対処することも可能だが、900人以上となると接種を延期するしかない。新型コロナウイルスのワクチン接種を受ける資格がある人々には、市当局から連絡して、予約の再調整ができるようにして解散した。
不安を募らせる高齢者
「感染状況が『赤色(4段階の上から2番目)』に引き下げられて経済活動が再開された場合に備えて、今週後半や来週にワクチン接種を受けておく必要があった高齢者や飲食店・食料品店の従業員などは、今回の一件でチャンスを逃してしまった」と、ダーダリアンは本誌宛てのメールでこう述べた。
ダーダリアンによれば、パサデナ市が今回の問題に気づいたのは、接種資格のない人々がワクチン接種の予約をしていると、ロサンゼルス・タイムズ紙の記者から知らせがあったからだ。
市は、ワクチン接種を受ける資格がある住民には予約用のリンクを送っていた。そのリンクが、他の人にも漏れていたようだ。
「みんな、自分がどの接種グループに属するかは分かっているはずだ■意訳■。疑問があれば、今回のロサンゼルス・タイムズの記者のように、電話で問い合わせて欲しい」と彼女はKNBCに語った。
パサデナ公衆衛生局のウェブサイトには、州の優先順位システムに基づき新型コロナウイルスワクチンの接種資格がある住民のリストと、ワクチンの安全性に関する情報、ワクチンについてのよくある質問とその答えが掲載されている。
カリフォルニア州ではパンデミックの発生以降、米国内のほかのどの州よりも多くの感染例が報告されており、9日までに同州の累計感染者数は350万人を超えている。パサデナは感染拡大が特に深刻な南部に位置しており、これまでに1万1000人の感染が報告されている。