トランプ無罪で終わった弾劾裁判 その後に残された法的疑問と課題
ミシガン州立大学のブライアン・カルト教授(法律学)も同意する。カルト氏によると、議会はこの問題をきちんと解決してこなかったし、最高裁によっても解決されないという。同教授は、最高裁が1993年に、この問題が根本的に政治的なものであり、解決は上院によらねばならないとの判断を明確にしたとしている。
弾劾は大統領の非行を正す仕組みとして有効か
憲法は、大統領を弾劾したり非行を告発したりするために下院が必要なのは単純過半数票だけだと明確にしている。しかし、大統領を有罪にするには、100議席の上院の3分の2の賛成が必要になる。現在の上院議席は民主党と共和党が伯仲している。
ミシガン州立大のカルト氏によると、今回の弾劾裁判は、たとえ有罪にできる見込みが薄いと分かっていても、対立政党の大統領の弾劾を喜んで進めようとする下院の実態を示唆した。この点からは、弾劾の目的についての大きな疑問が出てくるという。
カルト氏は「有罪にできないだろうと分かっていながら弾劾に進む目的とは何だろうか。その場合に繰り広げられることは一体何なのだろうか」と問い掛ける。トランプ氏の弾劾裁判はある意味、政治的な、また歴史への記録を目的とした民主党の「広報活動」だったと指摘。「弾劾は、他のいかなる方法でも得がたいような国民の注目を集めることができる」と評した。
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