「デートアプリはライフライン」のコロナ禍、英国でロマンス詐欺被害が増加
資金洗浄の片棒を担ぐことになるケースも
オーストラリアでも、コロナ禍でのロマンス詐欺が横行している。しかも金銭をだまし取られるだけではなく、犯罪の片棒を担がされてしまうケースもある。
オーストラリアの公共放送ABCは昨年10月、ビクトリア州在住の女性(49)が、デートアプリで出会った男にだまされ、15万豪ドル(約1230万円)を資金洗浄したと報じた。女性は、デートアプリ「ティンダー」で米陸軍関係者という男と出会った。15万豪ドルを相続したというその男は、オーストラリアに銀行口座がないので、女性の口座に預けさせて欲しいと頼んだという。
実は盗んだ金の資金洗浄が目的だったようだ。被害女性は刑事告訴を免れたものの、警察当局はABCに対し、告訴されなかったのは「運が良かった」と話した。
サイバー犯罪の専門家デイヴィッド・レイシー氏はABCに対し、ロマンス詐欺増加の背景には、コロナ禍で人とのやりとりがオンラインのみという人が増えたことなどがあると指摘。とりわけ年配者で、ここ1〜2年でパートナーを亡くしたり仕事を失ったりして、精神的に弱っている人が狙われる可能性が高いと話した。
一方でオーストラリア競争・消費者委員会(ACCC)は、従来的なロマンス詐欺は年配者を狙う傾向にあったが、投資話に誘い込む新たな手法では、35歳以下の被害者が比較的多いと注意を促す。
レイシー氏も前述のUKファイナンスも、オンライン・デートの相手が、直接会うことやビデオ通話を拒む場合は注意が必要だとしている。UKファイナンスは、プロフィール写真が他人のものである可能性があることから、類似の画像を探せる「逆画像検索」をしてみるよう促す。また、会ったことがない相手にお金を送るよう求められたら相手を疑い、友達や家族に相談するよう助言している。