米中首脳電話会談を読み解く――なぜ「とっておきの」春節大晦日に?
中国の公式発表
中国の場合は、もう尋常ではないほど華々しく報道し、それも中央テレビ局CCTVで速報を伝えた後、続けざまに人民日報や新華社あるいは再度詳細にCCTVが報道するなど、内容は中共中央と中央政府がオーソライズしてfixしたものを、一斉に流した。
最終的な形のCCTVの動画、CCTVの文字版あるいは新華網などで全貌を見ることができる。その内容を以下にご紹介しよう。一部の美辞麗句は省略するが、言葉の端から発見できる真実もあるので、詳細に追ってみた。
一、 習近平は指摘した:過去半世紀以上、国際関係の中で最も重要な出来事は中米関係の回復と発展だ。その間、少なからぬ曲折や困難があったが、しかし全体的に見れば前進しており、しかも豊かな成果を収め、両国人民に幸せをもたらし、世界の平和と安定と繁栄をもたらした。中米両国は「和すれば互いに利を得、戦えば互いに傷つく」関係にあり、協力以外に選択はない。中米の対立は両国と世界に災禍をもたらす。
二、 習近平は強調した:中米関係は今まさに重要な局面に差し掛かっている。中米関係を健全で安定的に発展させることは、両国人民と国際社会の共通の期待である。あなたは「アメリカの最大の特徴は可能性だ」と言ったことがありますね(筆者注:2011年、バイデンが副大統領として訪中し習近平と会談した時に、習近平がバイデンに「アメリカを一言で定義するとどうなりますか」と聞いたことに対するバイデンの回答)。その可能性がいま、両国関係改善の方向に向いていることを希望する。米中両国は互いに衝突せず対立せず、互いに信頼し合って協力してウインウインの精神で進み、相違点をコントロールし、両国人民に真の実質的な利益をもたらすように努力したい。それがコロナウイルス肺炎を退治するためにも、また世界経済の回復と地域の平和安定を促進することにも貢献する。
三、習近平は強調した:中米はある種の問題に関しては異なる見解を持つことはあるだろう。しかし肝要なのは互いを尊重し、平等に対応し、建設的な方法で問題解決に当たることだ。両国の外交部門は双方の広範な問題と国際的な地域間の問題に関して意思疎通を行い、両国の経済、金融、法の執行、および軍隊などの問題に関しても、もう少し多く接触を図ることができる。中米両国は各種の対話のメカニズムを通して、互いに相手の政策や意図を正確に理解することが重要で、そうすれば誤解や誤判断を避けることができる。台湾や香港あるいは新疆問題に関する話は中国の内政問題であり、中国の主権と領土保全の問題だ。アメリカは中国の核心的利益を尊重し、慎重に行動しなければならない。