最新記事

仮想通貨

仮想通貨で7億円稼いだ「億り人」の意外な素顔と「成功の条件」

2021年2月2日(火)18時15分
藤田岳人(本誌記者)

──どうやって増やしてきたのでしょうか?
税金のこともあり、トレードは頻繁にはしていません。(暗号資産の値上がりに従って)14年から17年までは右肩上がりに資産が増え、ピーク時には10億円を超えました。でもその後すぐにバブルがはじけて、一時は2億円を下回っていたと思います。そこから今日までかけて7億円に戻してきたという感じです。最近になって、やっとDeFiなどで金利収入が得られるようになったくらいです。

──暗号資産で持ち続けているということは、資産が増えても生活は大きく変わらない?
その通りです。変わらないんですよ。私の場合、どうせ日本円にするつもりはないので、ビットコインの価格なんかは、本当はどうでもいいんです。ただ最近はDeFiで利息が得られるようになったので、その半分はそのまま暗号資産で持ち、残り半分は日本円にかえるようにしようかと考えています。それでも数千万円の規模にはなります。

──では、今後は生活も変わりそうですか?
日本円にかえても、すべて株に突っ込むつもりなので生活は向上しないんじゃないですかね。実は最近悩んでいるんですが、使い道がないんです。そこが問題ですね。周りの暗号資産仲間も同じように言っています。

──家とか車とか、いわゆる一般的な贅沢に関心がない?
そうですね。家は賃貸でそこそこのところに住めればいいですし、車も特に必要ないですし......。使わないと、持っていないのと同じですよね。ただ額が増えていくだけで。

──もっと豪遊しているのかと思っていました。
相場と向き合っている人は特に、モノの本質的な価値をすごく気にすると思うんです。そうすると高いだけで自分が幸せになるための価値が得られないものは、絶対につかまされたくないと考えるんです。食べ物でも1万円を超えると、あとはあまり変わりませんよね。贅沢をしても無駄という感じですかね。

お金をかければかけるほど幸せになれると思うのですが、ある地点を超えると幸福度は増さなくなると思うんです。お金をかけても幸せが得られなくなるとどうなるのか。芸能人が覚せい剤なんかにハマるのを見て、どうにかお金で幸福を買おうとすると、そういうことになるのかなと思ったりします。

──なかには億り人になって、ガラッと変わった人もいますか?
まあ、結構います。ただ、どう変わったかと言うと、会社を辞めてニートになったという感じで、いかにもな贅沢をしているということではないです。

スポーツカーを買いたいとか、そういう物欲が強い人は、この界隈にはあまりいないように思います。むしろ仕事から自由になりたい、という感じですかね。

※インタビュー後半:仮想通貨「億り人」が語る、市場予想、リスク、失敗する人の特徴

20250408issue_cover150.png
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年4月8日号(4月1日発売)は「引きこもるアメリカ」特集。トランプ外交で見捨てられた欧州。プーチンの全面攻撃リスクにさらされるヨーロッパは日本にとって他人事なのか?

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ルペン氏に有罪判決、次期大統領選への出馬困難に 仏

ワールド

訂正-米テキサス州のはしか感染20%増、さらに拡大

ワールド

米民主上院議員、トランプ氏に中国との通商関係など見

ワールド

対ウクライナ支援倍増へ、ロシア追加制裁も 欧州同盟
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:引きこもるアメリカ
特集:引きこもるアメリカ
2025年4月 8日号(4/ 1発売)

トランプ外交で見捨てられ、ロシアの攻撃リスクにさらされるヨーロッパは日本にとって他人事なのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 2
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者が警鐘【最新研究】
  • 3
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 4
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 5
    磯遊びでは「注意が必要」...6歳の少年が「思わぬ生…
  • 6
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 7
    3500年前の粘土板の「くさび形文字」を解読...「意外…
  • 8
    メーガン妃のパスタ料理が賛否両論...「イタリアのお…
  • 9
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2…
  • 10
    なぜ「猛毒の魚」を大量に...アメリカ先住民がトゲの…
  • 1
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き詰った「時代遅れ企業」の行く末は?【アニメで解説】
  • 2
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 3
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 4
    【独占】テスラ株急落で大口投資家が本誌に激白「取…
  • 5
    800年前のペルーのミイラに刻まれた精緻すぎるタトゥ…
  • 6
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 7
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者…
  • 8
    一体なぜ、子供の遺骨に「肉を削がれた痕」が?...中…
  • 9
    「この巨大な線は何の影?」飛行機の窓から撮影され…
  • 10
    現地人は下層労働者、給料も7分の1以下...友好国ニジ…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 3
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 4
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 5
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 6
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 7
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 8
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中