最新記事

スポーツ

韓国では自治体もサポート パリ五輪から正式採用でブレイクダンスに注目

2021年1月6日(水)20時10分
ウォリックあずみ(映画配給コーディネイター)

2024年パリ・オリンピックで追加される新種目として注目を集める「ブレイクダンス」 Carlos Barria - REUTERS

<時代に合わせてオリンピックにも次々と新しい競技が登場>

本来なら昨年、第32回オリンピック競技大会が東京にて行われるはずだった。しかし、コロナウイルスの世界的感染拡大で今年に延期された。しかしコロナの感染第3波で東京をはじめ首都圏では緊急事態宣言が再度発出されようとしており、東京五輪が無事に開催できるかどうか、世界が注目している。

一方、東京オリンピック・パラリンピックでは新たな競技が7種目も追加される点も関心を集めていた。日本で人気の高い「野球」や「空手」はもちろん、若者に人気のある「スケートボード」「サーフィン」。さらに、昨今ボルダリングが人気だが「スポーツクライミング」も新種目に追加されている。

さて、東京オリンピックもまだ開催前だが、先月7日IOC国際オリンピック委員会は、2024年パリ・オリンピックで追加される新競技の発表を行った。そこで高い関心を集めた新種目が「ブレイクダンス」だ。

ブレイクダンスは、1970年代アメリカのストリートから生まれたダンスで、ブレイキンやB-boyingとも呼ばれている。アクロバティックな技が次々と生み出され、ダンサー同士のダンスバトルなども行われている。

パリ・オリンピックでのブレイクダンスが新競技追加の決定に、世界中のダンサーたちは、金メダルへの闘志を燃やしている。お隣の国、韓国でもブレイクダンスは盛んなことで有名だ。2000年頃から世界大会進出などで上位に入賞するチームが増えているため、メダルも狙える競技の新種目追加に韓国民は沸き立っている

ミュージカルなどエンタメにも

韓国ではブレイクダンスが大衆にも広く認知されている。2005年前後から、このブレイクダンス人気をエンターテイメントと融合させる動きも活発に行われてきた。若者と芸術の街であるホンデにはブレイクダンス専門劇場が登場し、世界で初めてブレイクダンスと、言葉を使わず動きや音だけでストーリーを展開し、外国人観光客にも対応したノンバーバル・パフォーマンス『クン!』を発表した。その他にも『ブレイクアウト』というブレイクダンスのコメディ舞台なども存在する。

そして、Bボーイとバレリーナの恋を描いたミュージカル『B-BOYに恋したバレリーナ』は、何度もリバイバル公演を繰り返し、なんと130カ国180万名の観客を動員しているという。世界水準のダンスはもちろん、ダンサーたちの演技も素晴らしく、さらに題材もいじめや疎外感など若者が共感する内容になっているのが成功の要因だろう。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

豊田織機の非公開化報道、トヨタ「一部出資含め様々な

ビジネス

中国への融資終了に具体的措置を、米財務長官がアジア

ビジネス

ベッセント長官、日韓との生産的な貿易協議を歓迎 米

ワールド

アングル:バングラ繊維産業、国内リサイクル能力向上
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
2025年4月29日号(4/22発売)

タイ・ミャンマーでの大摘発を経て焦点はカンボジアへ。政府と癒着した犯罪の巣窟に日本人の影

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 2
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは? いずれ中国共産党を脅かす可能性も
  • 3
    トランプ政権の悪評が直撃、各国がアメリカへの渡航勧告を強化
  • 4
    健康寿命は延ばせる...認知症「14のリスク要因」とは…
  • 5
    アメリカ鉄鋼産業の復活へ...鍵はトランプ関税ではな…
  • 6
    ロシア武器庫が爆発、巨大な火の玉が吹き上がる...ロ…
  • 7
    関税ショックのベトナムすらアメリカ寄りに...南シナ…
  • 8
    ロケット弾直撃で次々に爆発、ロシア軍ヘリ4機が「破…
  • 9
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 10
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 1
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 2
    「生はちみつ」と「純粋はちみつ」は何が違うのか?...「偽スーパーフード」に専門家が警鐘
  • 3
    「スケールが違う」天の川にそっくりな銀河、宇宙初期に発見される
  • 4
    【クイズ】「地球の肺」と呼ばれる場所はどこ?
  • 5
    女性職員を毎日「ランチに誘う」...90歳の男性ボラン…
  • 6
    教皇死去を喜ぶトランプ派議員「神の手が悪を打ち負…
  • 7
    『職場の「困った人」をうまく動かす心理術』は必ず…
  • 8
    自宅の天井から「謎の物体」が...「これは何?」と投…
  • 9
    「100歳まで食・酒を楽しもう」肝機能が復活! 脂肪…
  • 10
    トランプ政権はナチスと類似?――「独裁者はまず大学…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった...糖尿病を予防し、がんと闘う効果にも期待が
  • 3
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 4
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 5
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 6
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 7
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 8
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 9
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中