最新記事

米大統領選

1月20日、トランプは「自分の大統領就任式」に出る?

More Than 60,000 Trump Supporters Plan To Attend Virtual 'Second Inauguration'

2020年12月23日(水)17時05分
マシュー・インペリ

敗北を認めていないトランプはバイデンの就任式をパスする? Jonathan Ernst-REUTERS

<ネット上ではトランプ支持者がトランプの「2度目の就任式」を呼び掛け、すでに6万人が参加を表明している>

ドナルド・トランプ大統領支持者が、来年の1月20日にトランプの「大統領就任式」を企画している。そして、同日に行われるジョー・バイデン次期大統領の就任式のかわりに、このイベントに出席するよう呼び掛けている。

「ドナルド・J・トランプ2度目の就任式」と称するフェイスブックのオンラインイベントには、32万7000件を超える回答があり、うち6万人が参加を予定している。説明書きによると、同イベントはトランプを支持する私人が集まった草の根運動で、公的な組織とはいっさい関係ないと注意書きがある。英インディペンデント紙によれば、このイベントを企画したイリル・チャミとエヴィ・コカラリの2人は、トランプの2020年選挙対策本部で働いていた。

一方フェイスブックも、トランプが再選されたかのようなフェイクニュースを放置したと誤解されないために以下の断り書きを入れている。「次期大統領にはジョー・バイデンが選出された。2021年1月20日に第46代アメリカ大統領に就任するのはバイデンだ」

先の大統領選の勝者はバイデンであり、就任式まで1カ月を切っている。だがトランプはいまだに敗北を認めず、大規模な選挙不正があったという主張を続けている。ただし、このバーチャルイベントにトランプが出席するつもりかどうかは不明だ。

実際、トランプが慣例通りにバイデンの就任式に出席するかどうかはメディアの注目の的だ。11月にFOXビジネス・ネットワークにこの点を問われたホワイトハウスの大統領報道官ケイリー・マクナニーは次のように答えた。「それは1月の話で、まだずっと先のことだ。トランプ大統領は、自分が大統領になる、2期目がある、と信じている」

平和的な権力移譲の象徴なのに

FOXビジネスの司会が、トランプがバイデンの就任式に出席しないとしたら「非常に印象が悪い」と述べると、マクナニーはこう言った。「大統領は自身の就任式に出席すると思う。実際、出席しなければならないだろう」

12月2日に行われたホワイトハウスでの記者会見で、トランプがバイデンの就任式に出席するか否かを改めて訊ねられたときは、「それについては、大統領自身の発表に委ねたい」とマクナニーは答えた。

元共和党下院議長のニュート・ギングリッチは12月22日、トランプは「おそらく」バイデンの就任式に出席するだろうと言う。「歴史上、後任大統領の就任式に出席しなかった現職大統領はごくわずかしかいない。ジョン・クインシー・アダムズは出席しなかった。1869年には共和党員たちが出席しなかった。だが(就任式出席は)慣例だ」とギングリッチはラジオ番組で話した。「トランプが出席しないのなら、理由を説明する必要があるだろう」

バイデン自身は、12月はじめにCNNに対し、トランプが就任式に出席し、権力移譲が平和的に行われたことを示すことが重要だ、と述べている。「権力移譲の手続きは重要だと思う。これはひとえに彼が決めるべきことであり、私個人にはなんの影響もない。だが、国のためにはそうすべきだ」

(翻訳:ガリレオ)

ニューズウィーク日本版 独占取材カンボジア国際詐欺
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年4月29日号(4月22日発売)は「独占取材 カンボジア国際詐欺」特集。タイ・ミャンマーでの大摘発を経て焦点はカンボジアへ。政府と癒着した犯罪の巣窟に日本人の影

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ローマ教皇フランシスコの葬儀は26日、各国首脳が参

ビジネス

台湾輸出受注、3月予想下回る12.5%増 中国が減

ワールド

自公両党、物価高対策でガソリンの定額引き下げ提言 

ワールド

中国、ローマ教皇死去に哀悼の意
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
2025年4月29日号(4/22発売)

タイ・ミャンマーでの大摘発を経て焦点はカンボジアへ。政府と癒着した犯罪の巣窟に日本人の影

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「スケールが違う」天の川にそっくりな銀河、宇宙初期に発見される
  • 2
    【クイズ】「地球の肺」と呼ばれる場所はどこ?
  • 3
    女性職員を毎日「ランチに誘う」...90歳の男性ボランティアが、職員たちにもたらした「学び」
  • 4
    自宅の天井から「謎の物体」が...「これは何?」と投…
  • 5
    遺物「青いコーラン」から未解明の文字を発見...ペー…
  • 6
    パウエルFRB議長解任までやったとしてもトランプの「…
  • 7
    「生はちみつ」と「純粋はちみつ」は何が違うのか?.…
  • 8
    「アメリカ湾」の次は...中国が激怒、Googleの「西フ…
  • 9
    なぜ? ケイティ・ペリーらの宇宙旅行に「でっち上…
  • 10
    コロナ「武漢研究所説」強調する米政府の新サイト立…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ? 1位は意外にも...!?
  • 2
    「生はちみつ」と「純粋はちみつ」は何が違うのか?...「偽スーパーフード」に専門家が警鐘
  • 3
    しゃがんだ瞬間...「えっ全部見えてる?」ジムで遭遇した「透けレギンス」投稿にネット騒然
  • 4
    パニック発作の原因とは何か?...「あなたは病気では…
  • 5
    あなたには「この印」ある? 特定の世代は「腕に同じ…
  • 6
    【渡航注意】今のアメリカでうっかり捕まれば、裁判…
  • 7
    女性職員を毎日「ランチに誘う」...90歳の男性ボラン…
  • 8
    【クイズ】売上高が世界1位の「半導体ベンダー」はど…
  • 9
    「100歳まで食・酒を楽しもう」肝機能が復活! 脂肪…
  • 10
    自宅の天井から「謎の物体」が...「これは何?」と投…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 3
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった...糖尿病を予防し、がんと闘う効果にも期待が
  • 4
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 7
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 8
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 9
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 10
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中