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感染症対策「ファイザーのワクチン、来週前半から接種」 英国のコロナワクチン計画とは
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英政府は米製薬大手ファイザーとドイツのバイオ企業ビオンテックが共同開発した新型コロナウイルスワクチンを世界で初めて承認した。写真はファイザーとビオテックが開発した新型コロナウイルスのワクチン。独マインツで撮影。鼻音テック提供(2020年 ロイター)
英政府は2日、米製薬大手ファイザーとドイツのバイオ企業ビオンテックが共同開発した新型コロナウイルスワクチンを世界で初めて承認した。来週前半に接種を始めるとしている。
英医薬品・医療製品規制庁(MHRA)のジューン・レーン長官は、承認でいかなる手続きも省略していないと強調した。同庁によると、今年6月に最初のワクチンデータを受け取り、国際基準に見合う厳格な審査分析を経て承認した。
英政府はこのワクチンを4000万回分、発注している。1人2回の接種が必要になるため、まず国民の3分の1弱に接種できる分量だ。
このワクチンの製造と保管、英国での接種計画の詳細は次の通り。
製造
このワクチンは零下70度以下の超低温で輸送、保管する必要がある。
ファイザーとビオンテックは未開封で10日間、温度を維持管理できる特殊な輸送方法を開発した。適切な温度下ではさらに30日間の保管にも対応できる。
いったん解凍されると、ワクチンの瓶は最長5日間、冷蔵温度(2-8度)で保管できる。
英国に供給するワクチンは、ベルギーのプールスにあるファイザーの大規模施設で生産する。
英国での接種
ベルギーから80万回分が届き、来週前半に英国での接種が始まる。英政府によると、その後の接種のペースはファイーザー側がどれだけ早く生産し出荷できるかによる。
ワクチンは約3週間を空けて2度投与される。接種の大部分は来年になる。
接種合同委員会の責任者によると、接種の最優先は高齢者介護施設の入所者と職員。次が80歳以上の高齢者と医療従事者だ。
続いて50歳から80歳までと、16歳から64歳までで基礎疾患などがある高リスクな人に接種する。
接種の場所は病院、大規模なワクチン接種センター、地域医療施設を使う。
イングランド地域では病院50カ所が態勢を整え、ワクチンの受け入れを待っている。ワクチン接種センターは現在設営中。一般開業医や薬局も可能ならば適宜、その地域の接種を担う。
オックスフォード大学と英製薬大手・アストラゼネカが共同開発する新型コロナワクチンが承認されれば、こうした地域医療施設の役割は大きくなる可能性がある。このワクチンは超低温で保管する必要がなく、輸送も比較的簡単なためだ。
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