【香港人の今3】「中国製でないほうが、品質がよくて安い」・「黄色経済圏」支持者
RISING LIKE A PHOENIX
デモ隊の「保護者」 Zero(40)
逃亡犯条例改正案の抗議活動が始まって以来、逮捕者は1万人を超え、毎日100人ほどが裁判所に送られる。そんな法廷の傍聴席に現れたZeroは、逮捕者を自分の子供のように「阿仔(息子)」「阿女(娘)」と呼ぶ彼らの「保護者」だ。
典型的な「港猪(食えれば政治はどうでもいいと思う香港人の蔑称)」だった彼は、2014年の雨傘運動で生まれ変わった。デモ隊の主要な占拠エリアに彼の会社があり、その状況を見ることが日課になり、水や食べ物などの物資を現場に持って行った。
「自分たちは既得権益者で、次世代のことを忘れることもある。しかし返還後、さまざまな権利や約束された普通選挙が次々となくなった。なくした権利を取り戻そうという若者の決心を見て、われわれも言い逃れできなかった」
「保護者」として、必要物資から心の支えまで、デモ隊の面倒を丁寧に見る。懐具合が寒い若者にはレストランのクーポンを渡し、身体や精神に傷を受けた若者は医者に見せ、働きたい若者には仕事を紹介する。
最近はデモ隊の裁判傍聴が重要な支援になった。「傍聴を通じて、誰も使い捨ての道具ではないと伝えたい。逮捕者の心の支えになれたらいい」
<2020年11月24日号掲載>
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