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南シナ海アジア歴訪のポンペオ、対中包囲で協力模索も微妙なズレ インドネシア外相「安定的で平和的な南シナ海を望む」
インドネシアを訪問中のポンペオ米国務長官(写真左)は、南シナ海でインドネシアと協力する新たな手段を模索すると表明した。写真右はインドネシアのルトノ外相。提供写真(2020年 ロイター/Indonesian Ministry of Foreign Affairs)
インドネシアを訪問中のポンペオ米国務長官は29日、南シナ海でインドネシアと協力する新たな手段を模索すると表明した。また、米国は同海域における中国の「違法な」主張を受け入れないとし、自国の海域を守ろうとするインドネシアの取り組みを尊重するとした。
ポンペオ長官は米中間の緊張が高まる中、戦略的関係や経済関係の強化を目指し、現在アジア5カ国を歴訪中。
ポンペオ長官は、インドネシアのルトノ外相との共同記者会見で、南シナ海にあるナトゥナ諸島周辺の水域における主権保護に向けた同国の「断固とした行動」を称賛した。ナトゥナ諸島周辺では中国も領有権を主張している。
長官は、中国の主張は「違法」だと強調。「海洋安全保障で主要な国際貿易ルートが確実に保護されるよう新たな手段でともに協力していくことを期待する」と述べた。
ルトノ外相は、国際法が順守される「安定的で平和的な」南シナ海を望むとした。
ルトノ外相はインドネシアと米国が軍事調達、訓練、情報共有、海上警備における連携を推進することで防衛協力を強化すると述べた。
ただトランプ政権の中国に対する強硬な姿勢にインドネシア政府当局者は懸念を示している。ルトノ外相は「この困難な時期に包摂的な協力を模索する必要性を改めて強調した」とし、全ての国が世界の平和、安定、繁栄に向けた取り組みに関与する必要があると訴えた。
<経済協力>
ルトノ外相はまた、インドネシアの「自由で独立した」外交政策に言及し、ポンペオ長官に経済協力の拡大を求めたと明らかにした。
米国はインドネシアに対する一般特恵関税制度(GSP)適用を見直しており、インドネシアは中国との経済関係を深めている。
ルトノ外相はポンペオ長官にGSPが両国にとって重要であることを指摘したとし、ナトゥナ諸島のような島しょも含めてインドネシアへの投資を増やすよう米企業に要請したと語った。
長官は両国の経済関係の弱い部分を認識していると述べたが、GSPの延長については言質を与えず「デジタル、エネルギー、インフラなどの分野を中心に米国からの投資をもっと増やすべきだ」と指摘した。
ポンペオ長官は29日にインドネシアのジョコ大統領とも会談した。
ルトノ外相によると、ジョコ大統領はGSPの延長も含め、両国の経済協力を今後発展させたいと強調した。また地域の平和と安定、協力を確立するために東南アジアを理解するよう促したという。
ポンペオ長官はこれまでにインド、スリランカ、モルディブを訪問。29日中にベトナムに向けて出発する。
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