アメリカ大統領選の最終討論会、トランプとバイデンがコロナ対応めぐり激しい応酬 初回より落ち着きも
両候補はこのほか、医療保険や対中政策、人種問題などでも衝突。バイデン氏はトランプ氏を歴史上「最も人種差別的な大統領の1人」と呼び、「ありとあらゆる人種差別の火に油を注ぐ」と非難した。
一方トランプ氏は、1994年にバイデン氏が起草した犯罪法が未成年者の収監増加につながったと指摘。リンカーン元大統領は例外かもしれないが、黒人のためにこれほど貢献した大統領は自分以外にいないと主張した。
医療保険や気候変動対策でも対立
バイデン氏は、トランプ氏が最高裁に医療保険制度改革法(オバマケア)の無効化を求めていることを批判。同法の下では既往症のある人の加入を保険会社が拒否できないことに言及し、「国民は手頃な医療を受ける権利がある」と強調した。
トランプ氏は、同様の保護を提供する「もっと優れた」制度を代わりに導入すると反論した。米政権は包括的な医療保険制度に関する提案を依然行っていない。
また、気候変動に関する議論でバイデン氏は、自身の計画では再生可能エネルギーに向けて「石油産業から移行」すると発言。するとトランプ氏は「彼は石油業界を破壊する」と攻撃材料にし、テキサス州やペンシルベニア州の有権者にバイデン氏の発言を忘れるなと訴えた。
世論調査ではバイデン氏が支持率でリードしており、この日の討論会は流れを変えたいトランプ氏にとって残された最後の機会の一つとなった。一部の激戦州は接戦の様相となっており、これらの州が勝敗を左右する可能性が高い。
ただ、これまでに過去最多の4700万人が期日前投票を済ませており、態度を決めていない有権者が比較的少ないため、トランプ氏が流れを変える余地は限られている。
第2回討論会は15日に予定されていたが、トランプ氏が今月初めにコロナに感染したことを受け、討論会の実行委員会はバーチャル形式に変更することを決め、トランプ大統領が参加を拒否していた。
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