韓国は中国を気づかって、米日豪印4ヶ国連携「クアッド」参加を否定
日米韓3ヶ国国防相会談を欠席した韓国
一方、9月25日、康京和韓国外交部長官は、韓国がクアッド・プラスに招待されていないとした上で、「他国の利益を排除するいかなることも良いアイデアではない」とクアッド参加を否定する発言を行なった。また、鄭景斗(チョン・ギョンドゥ)韓国国防相も8月29日にグアムで開催された日米韓3ヶ国国防相会談を欠席した。
今年5月、韓国が米韓国防相会談を提案し、米国防長官が北朝鮮や中国の問題を話し合うため日米韓3ヶ国の国防相会談を計画して日程調整を進めてきた。しかし、鄭長官は直前になって新型コロナや国内日程を理由に出席が難しいと伝え、エスパー米国防長官と河野太郎防衛大臣が韓国抜きで会談を行なった。
新型コロナを名目に会談を欠席した韓国だが、直前の8月22日、楊潔篪(よう・けつち、ヤン・チエチー)中国共産党外交担当政治局委員と徐薫(ソ・フン)韓国国家保安室長が釜山で会談を行っている。
「安全保障は米国、経済は中国」の韓国政府
康京和外交部長官は、中国は韓国にとって最大の交易と経済のパートナーであり、企業や市民にとっても大切だと発言するが、韓国は安全保障を在韓米軍に依存し、多くの軍事物資を米国から購入している。
「安全保障は米国、経済は中国」という二股政策を打ち出す韓国政府に、ある外交幹部OBは「(韓国)政府は日米韓国防相会議に参加しないなど、日米と距離を取るが、中国と北朝鮮、ロシアは連帯を強化している」と警戒する。
韓国はオバマ前米大統領の再三に渡るTPP(環太平洋パートナーシップ協定)参加要請に曖昧な態度で臨み、クアッドもまた参加を留保する。米中の間で曖昧な立場を続ける間に協議が進行し、韓国が米国の同盟国の中で仲間外れになりかねないという懸念が外交関係者の間から出はじめている。