最新記事

韓国

韓国は中国を気づかって、米日豪印4ヶ国連携「クアッド」参加を否定

2020年10月15日(木)16時30分
佐々木和義

日米韓3ヶ国国防相会談を欠席した韓国

一方、9月25日、康京和韓国外交部長官は、韓国がクアッド・プラスに招待されていないとした上で、「他国の利益を排除するいかなることも良いアイデアではない」とクアッド参加を否定する発言を行なった。また、鄭景斗(チョン・ギョンドゥ)韓国国防相も8月29日にグアムで開催された日米韓3ヶ国国防相会談を欠席した。

今年5月、韓国が米韓国防相会談を提案し、米国防長官が北朝鮮や中国の問題を話し合うため日米韓3ヶ国の国防相会談を計画して日程調整を進めてきた。しかし、鄭長官は直前になって新型コロナや国内日程を理由に出席が難しいと伝え、エスパー米国防長官と河野太郎防衛大臣が韓国抜きで会談を行なった。

新型コロナを名目に会談を欠席した韓国だが、直前の8月22日、楊潔篪(よう・けつち、ヤン・チエチー)中国共産党外交担当政治局委員と徐薫(ソ・フン)韓国国家保安室長が釜山で会談を行っている。

「安全保障は米国、経済は中国」の韓国政府

康京和外交部長官は、中国は韓国にとって最大の交易と経済のパートナーであり、企業や市民にとっても大切だと発言するが、韓国は安全保障を在韓米軍に依存し、多くの軍事物資を米国から購入している。

「安全保障は米国、経済は中国」という二股政策を打ち出す韓国政府に、ある外交幹部OBは「(韓国)政府は日米韓国防相会議に参加しないなど、日米と距離を取るが、中国と北朝鮮、ロシアは連帯を強化している」と警戒する。

韓国はオバマ前米大統領の再三に渡るTPP(環太平洋パートナーシップ協定)参加要請に曖昧な態度で臨み、クアッドもまた参加を留保する。米中の間で曖昧な立場を続ける間に協議が進行し、韓国が米国の同盟国の中で仲間外れになりかねないという懸念が外交関係者の間から出はじめている。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

10月全国消費者物価(除く生鮮)は前年比+2.3%

ワールド

ノルウェーGDP、第3四半期は前期比+0.5% 予

ビジネス

日産、タイ従業員1000人を削減・配置転換 生産集

ビジネス

ビットコインが10万ドルに迫る、トランプ次期米政権
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:超解説 トランプ2.0
特集:超解説 トランプ2.0
2024年11月26日号(11/19発売)

電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対する中国人と日本人の反応が違う
  • 2
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 3
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 4
    Netflix「打ち切り病」の闇...効率が命、ファンの熱…
  • 5
    【ヨルダン王室】生後3カ月のイマン王女、早くもサッ…
  • 6
    元幼稚園教諭の女性兵士がロシアの巡航ミサイル「Kh-…
  • 7
    NewJeans生みの親ミン・ヒジン、インスタフォローをす…
  • 8
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 9
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 10
    ウクライナ軍、ロシア領内の兵器庫攻撃に「ATACMSを…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査を受けたら...衝撃的な結果に「謎が解けた」
  • 3
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り捨てる」しかない理由
  • 4
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 5
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 6
    アインシュタイン理論にズレ? 宇宙膨張が示す新たな…
  • 7
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
  • 8
    クルスク州の戦場はロシア兵の「肉挽き機」に...ロシ…
  • 9
    沖縄ではマーガリンを「バター」と呼び、味噌汁はも…
  • 10
    メーガン妃が「輝きを失った瞬間」が話題に...その時…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大きな身体を「丸呑み」する衝撃シーンの撮影に成功
  • 4
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 5
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 6
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 7
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 8
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
  • 9
    モスクワで高層ビルより高い「糞水(ふんすい)」噴…
  • 10
    ロシア陣地で大胆攻撃、集中砲火にも屈せず...M2ブラ…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中