最新記事

感染第2波

欧州、感染第2波深刻に スペインで外出禁止令検討、伊は地域別で制限措置

2020年10月21日(水)11時11分

新型コロナウイルスの感染拡大抑制に向け、スペインでは感染拡大が深刻なマドリードなど一部地域で夜間外出禁止令を含む新たな制限措置が検討されているほか、イタリアの一部地域では独自の制限措置を導入し始めている。マドリードで14日撮影(2020年 ロイター/ALBERT GEA)

新型コロナウイルスの感染拡大抑制に向け、スペインでは感染拡大が深刻なマドリードなど一部地域で夜間外出禁止令を含む新たな制限措置が検討されているほか、イタリアの一部地域では独自の制限措置を導入し始めている。

スペインの新型コロナ感染者数は累計98万8322人に達し、今週にも100万人を突破する可能性がある。死者は累計3万4210人。

スペインのイラ保健相は記者団に対し「非常に厳しい冬季を迎える。感染第2波はもはや脅威ではなく、欧州全体の現実だ」と述べた。

イラ保健相によると、マドリードなどでの外出禁止令には非常事態宣言が必要で、2週間以上の措置には一部野党の支持を得なければならないという。ただ、スペイン議会は2極化しており、野党の支持を得るのは難しいと見られる。

マドリード州のエスクデロ保健相は、州当局が外出禁止令の必要性を検討しているものの、実施する権限がなく、中央政府に要請しなければならないと述べた。

一方、イタリアでは、北部のロンバルディア州や南部のカンパーニア州が外出禁止令の導入を決定。ピエモンテ州はショッピングセンターを週末に閉鎖すると発表した。

コンテ首相は記者会見で「感染第1波とは全く異なる状況だ」とし、状況悪化時には地方自治体による制限措置導入を可能にする必要があると述べた。

カンパーニア州ではすでに10月末まで全ての学校が閉鎖されている。州都ナポリのルイジ・デ・マジストリス市長はこの日、カンパーニア州での新型コロナ流行が「制御不能」になっているため、厳格なロックダウン(都市封鎖)をふたたび実施する可能性があると述べた。

イタリアで過去24時間に確認された新規感染者数は1万0874人と前日の9338人から増加した。

またフランスでは、20日の新規感染者が再び2万人台を記録し、前日の約1万3000人から大きく増加した。

新規感染者は2万0468人、死者は262人だった。また、新たな入院患者は4月初め以降で最多の797人増で、全体で1万2458人になった。



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・ロシア開発のコロナワクチン「スプートニクV」、ウイルスの有害な変異促す危険性
・巨大クルーズ船の密室で横行するレイプ

20241224issue_cover150.png
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2024年12月24日号(12月17日発売)は「アサド政権崩壊」特集。アサドの独裁国家があっけなく瓦解。新体制のシリアを世界は楽観視できるのか

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

独クリスマス市襲撃、容疑者に反イスラム言動 難民対

ワールド

シリア暫定政府、国防相に元反体制派司令官を任命 外

ワールド

アングル:肥満症治療薬、他の疾患治療の契機に 米で

ビジネス

日鉄、ホワイトハウスが「不当な影響力」と米当局に書
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:アサド政権崩壊
特集:アサド政権崩壊
2024年12月24日号(12/17発売)

アサドの独裁国家があっけなく瓦解。新体制のシリアを世界は楽観視できるのか

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 2
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が明らかにした現実
  • 3
    おやつをやめずに食生活を改善できる?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 4
    【駐日ジョージア大使・特別寄稿】ジョージアでは今、…
  • 5
    トランプ、ウクライナ支援継続で「戦況逆転」の可能…
  • 6
    「私が主役!」と、他人を見下すような態度に批判殺…
  • 7
    コーヒーを飲むと腸内細菌が育つ...なにを飲み食いす…
  • 8
    「オメガ3脂肪酸」と「葉物野菜」で腸内環境を改善..…
  • 9
    「スニーカー時代」にハイヒールを擁護するのは「オ…
  • 10
    「たったの10分間でもいい」ランニングをムリなく継続…
  • 1
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が明らかにした現実
  • 2
    ロシア軍は戦死した北朝鮮兵の「顔を焼いている」──ゼレンスキー
  • 3
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 4
    村上春樹、「ぼく」の自分探しの旅は終着点に到達し…
  • 5
    おやつをやめずに食生活を改善できる?...和田秀樹医…
  • 6
    女性クリエイター「1日に100人と寝る」チャレンジが…
  • 7
    【クイズ】アメリカにとって最大の貿易相手はどこの…
  • 8
    「どんなゲームよりも熾烈」...ロシアの火炎放射器「…
  • 9
    【駐日ジョージア大使・特別寄稿】ジョージアでは今、…
  • 10
    ウクライナ「ATACMS」攻撃を受けたロシア国内の航空…
  • 1
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が明らかにした現実
  • 2
    ロシア兵「そそくさとシリア脱出」...ロシアのプレゼンス維持はもはや困難か?
  • 3
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 4
    半年で約486万人の旅人「遊女の数は1000人」にも達し…
  • 5
    ロシア軍は戦死した北朝鮮兵の「顔を焼いている」──…
  • 6
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命を…
  • 7
    「炭水化物の制限」は健康に問題ないですか?...和田…
  • 8
    ミサイル落下、大爆発の衝撃シーン...ロシアの自走式…
  • 9
    コーヒーを飲むと腸内細菌が育つ...なにを飲み食いす…
  • 10
    2年半の捕虜生活を終えたウクライナ兵を待っていた、…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中