最新記事

金融

東証、全銘柄の取引を終日停止で社長「責任痛感」 2日再開へ準備

2020年10月1日(木)20時27分

東証は午後、「立会内市場では全銘柄について約定は成立しておらず、売買停止までの間に受け付けた注文はすべて明日以降の売買に引き継がれない」と発表。1日に受け付けた注文はすべてキャンセルとなり、取引再開後に改めて受け付ける。ToSTNeT市場では、午前8時56分までに受け付けた注文は約定が成立しているという。

宮原社長は「まずは徹底した原因究明を行ったうえで再発防止に万全を期す。同時に今回の取引が投資家や参加者に影響を及ぼしたのか調査する」と述べ、証券会社や投資家に何らかの損失が出た場合の補償については明言を避けた。

2日の取引では、個別銘柄の基準値は30日の終値を用いる。制限値幅などにも特別な措置はとらない。

金融庁が対応求める

金融庁は、東証に原因究明と復旧に向けた対応を求めた。加藤勝信官房長官は午前の会見で、金融庁が原因究明と対応を指示しているとした上で、「取引所は経済の重要インフラであり、株式取引ができなくなっている現状は遺憾だ」と話した。

関係筋によると、金融庁は東証に対し、近く金融商品取引法に基づく報告命令を出す方針。

時事通信によると、氷見野良三金融庁長官が午後、官邸に入り、状況を説明したとみられている。

ひろぎんHDはテクニカル上場

この日上場したひろぎんホールディングス7337.Tは「状況を見守ることしかできない。復旧を待ちたい」(広報担当者)とコメントした。東証の規定では「テクニカル上場」となる。

*内容を追加しました。

(伊賀大記、久保信博、石田仁志 取材協力:竹本能文、杉山健太郎、浜田寛子、山崎牧子、梅川崇 編集:青山敦子、田中志保)

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


20241224issue_cover150.png
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2024年12月24日号(12月17日発売)は「アサド政権崩壊」特集。アサドの独裁国家があっけなく瓦解。新体制のシリアを世界は楽観視できるのか

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ロ大統領、スロバキア首相と会談 ウクライナ経由ガス

ワールド

スイスとEU、関係強化に向けた包括的取り決めに基本

ワールド

トルドー内閣、退陣の可能性高まる 野党が1月に不信

ワールド

弱体化したイラン、核兵器製造する可能性=米大統領補
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:アサド政権崩壊
特集:アサド政権崩壊
2024年12月24日号(12/17発売)

アサドの独裁国家があっけなく瓦解。新体制のシリアを世界は楽観視できるのか

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 2
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が明らかにした現実
  • 3
    おやつをやめずに食生活を改善できる?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 4
    トランプ、ウクライナ支援継続で「戦況逆転」の可能…
  • 5
    【駐日ジョージア大使・特別寄稿】ジョージアでは今、…
  • 6
    「私が主役!」と、他人を見下すような態度に批判殺…
  • 7
    コーヒーを飲むと腸内細菌が育つ...なにを飲み食いす…
  • 8
    「オメガ3脂肪酸」と「葉物野菜」で腸内環境を改善..…
  • 9
    「スニーカー時代」にハイヒールを擁護するのは「オ…
  • 10
    「たったの10分間でもいい」ランニングをムリなく継続…
  • 1
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が明らかにした現実
  • 2
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 3
    ロシア軍は戦死した北朝鮮兵の「顔を焼いている」──ゼレンスキー
  • 4
    村上春樹、「ぼく」の自分探しの旅は終着点に到達し…
  • 5
    おやつをやめずに食生活を改善できる?...和田秀樹医…
  • 6
    女性クリエイター「1日に100人と寝る」チャレンジが…
  • 7
    【クイズ】アメリカにとって最大の貿易相手はどこの…
  • 8
    「どんなゲームよりも熾烈」...ロシアの火炎放射器「…
  • 9
    【駐日ジョージア大使・特別寄稿】ジョージアでは今、…
  • 10
    コーヒーを飲むと腸内細菌が育つ...なにを飲み食いす…
  • 1
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が明らかにした現実
  • 2
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 3
    ロシア兵「そそくさとシリア脱出」...ロシアのプレゼンス維持はもはや困難か?
  • 4
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋…
  • 5
    半年で約486万人の旅人「遊女の数は1000人」にも達し…
  • 6
    ロシア軍は戦死した北朝鮮兵の「顔を焼いている」──…
  • 7
    「炭水化物の制限」は健康に問題ないですか?...和田…
  • 8
    ミサイル落下、大爆発の衝撃シーン...ロシアの自走式…
  • 9
    コーヒーを飲むと腸内細菌が育つ...なにを飲み食いす…
  • 10
    2年半の捕虜生活を終えたウクライナ兵を待っていた、…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中