外国製SNSの全面禁止を狙うイラン ただし政権有力者は対象外
イラン革命防衛隊によるSNS監視も容易に REUTERS
<選挙不正や反政府派弾圧、経済悪化に対する国民の抗議活動を抑え込みたいとの意図が背景に>
国内のインターネット管理をイラン革命防衛隊などで構成される政権中枢の委員会に一任する──イラン国会議員40人が、そんな法案を提出した。法案には、外国製メッセージアプリを禁止し、監視が容易な国産に置き換えることも盛り込まれている。違反には最高で2年の懲役か1900ドル相当の罰金が科される。
背景には、選挙不正や反政府派弾圧、経済悪化などに対する抗議活動を抑え込みたいとの意図がある。8月には南部の油田で、劣悪な労働環境や賃金不払いに抗議する労働者のデモが発生した。
イランは既に、フェイスブックやYouTube、ツイッターなど外国のSNSを禁止している。とはいえ、外国製アプリを駆使して世界に発信する政権有力者らは規制の対象外だ。
最高指導者ハメネイ師は数カ国語のツイッターアカウントを持ち、英語アカウントには81万のフォロワーが付いている。ロウハニ大統領のフォロワーは115万に上る。
<2020年9月8日号掲載>
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2020年9月8日号(9月1日発売)は「イアン・ブレマーが説く アフターコロナの世界」特集。主導国なき「Gゼロ」の世界を予見した国際政治学者が読み解く、米中・経済・テクノロジー・日本の行方。PLUS 安倍晋三の遺産――世界は長期政権をこう評価する。