ニュース速報
ビジネス

豪政府「予算管理している」、選挙公約巡る格付け会社の警告に反論

2025年04月28日(月)17時27分

 4月28日、オーストラリアのチャーマーズ財務相(写真)は、100億豪ドル(63億9000万ドル)規模の選挙公約が同国の「AAA(トリプルA)」格付けを脅かすとの格付け会社の警告に対し、予算を管理しているなどと反論した。2023年7月、インドのガンディナガルで撮影(2023年 ロイター/Amit Dave)

[シドニー 28日 ロイター] - オーストラリアのチャーマーズ財務相は28日、100億豪ドル(63億9000万ドル)規模の選挙公約が同国の「AAA(トリプルA)」格付けを脅かすとの格付け会社の警告に対し、予算を管理しているなどと反論した。

S&Pグローバル・レーティングのアナリストは同日、5月3日の総選挙に向けた選挙公約が構造的な財政赤字の拡大につながれば、AAA格付けが危うくなる可能性があるとレポートで警告した。

チャーマーズ財務相は記者会見で、「格付け会社が支出を心配し、予算外の資金を心配しているのならば、われわれはすでに選挙公約を実行する余地があることを証明した」と発言。

「格付け会社は時折、自分たちの見解を公表する。われわれは彼らの意見を真摯に受け止めている。われわれは責任を持って予算を管理している」と述べた。

豪政府が発表したコスト計算では、4年間で10億豪ドルの収支改善となった。

政府は、生活費対策、10万戸の新規住宅建設、安価な医療へのアクセス拡大などの公約の財源を、コンサルタントの利用削減を含む64億豪ドルの節約と優先順位見直しによって手当てする計画を概要を示した。また、学生ビザ申請料金の引き上げにより追加で7億6000万豪ドルの収入を目指す。

チャーマーズ氏は「今日発表された費用計算によれば、前倒し試算対象の全ての年において、選挙公約(の費用)を相殺して余りあると見込まれる」と述べた。

27日に発表された最新の世論調査では、優先順位付連記投票制度に基づく票の再分配をしたベースで、労働党が野党・保守連合に対し4ポイントのリードを保った。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

独メルク、米バイオのスプリングワークス買収 39億

ワールド

直接交渉の意向はウクライナが示すべき、ロシア報道官

ワールド

トランプ氏へのヒスパニック系支持に陰り、経済や移民

ワールド

イスラエル軍、ラファに収容所建設か がれき撤去し整
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
2025年4月29日号(4/22発売)

タイ・ミャンマーでの大摘発を経て焦点はカンボジアへ。政府と癒着した犯罪の巣窟に日本人の影

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドローン攻撃」、逃げ惑う従業員たち...映像公開
  • 4
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新…
  • 5
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 6
    私の「舌」を見た医師は、すぐ「癌」を疑った...「口…
  • 7
    体を治癒させる「カーニボア(肉食)ダイエット」と…
  • 8
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 9
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 10
    足の爪に発見した「異変」、実は「癌」だった...怪我…
  • 1
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新研究】
  • 4
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 5
    「スケールが違う」天の川にそっくりな銀河、宇宙初…
  • 6
    【クイズ】「地球の肺」と呼ばれる場所はどこ?
  • 7
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 8
    教皇死去を喜ぶトランプ派議員「神の手が悪を打ち負…
  • 9
    私の「舌」を見た医師は、すぐ「癌」を疑った...「口…
  • 10
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった...糖尿病を予防し、がんと闘う効果にも期待が
  • 4
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 7
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 8
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 9
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 10
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中