新型コロナで追い込まれるアメリカの若者、4人に1人が真剣に「自殺を考えた」
新型コロナ流行以来、米国では銃の購入が急増しているのも問題に...... ia_64-iStock
<新型コロナウイルス感染症が、米国人のメンタルヘルスにどのような影響を及ぼしているかについて調べ、若者の4人に1人は過去30日間で真剣に自殺を考えたというショッキングな結果となった...... >
若者の4人に1人は真剣に自殺を考えた
新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)が、米国の若者の心に大きな影を落としている。米疾病対策センター(CDC)がこのほど発表した調査では、若者の4人に1人は過去30日間で真剣に自殺を考えたというショッキングな結果となった。
さらには、銃規制を訴える非営利団体エブリィタウン・フォー・ガン・セイフティが行った調査では、ここ数年の間に銃を使用しての自殺が若者の間で急増していることも明らかになった。新型コロナウイルスの流行以来、米国では銃の購入が急増しており、若者の自殺防止により一層取り組む必要がありそうだ。
CDCの調査は、新型コロナウイルス感染症が、米国人のメンタルヘルスにどのような影響を及ぼしているかについて調べたもの。米国に在住する18歳以上の男女1万人弱を対象に、今年6月24~30日にかけてオンライン調査を実施し、これに応じた5412人の回答を分析した。
米国では3月から外出禁止令が実施されたが、この影響がメンタルの健康面にかなり強く出ていると考えられている。調査に回答した人の40.9%が、メンタル面の悪化や問題行動を自覚していると答えた。これには、不安障害やうつ障害の症状があるといった回答の他、ストレスや不安に対処するために薬物を摂取し始めたり量を増やしたりといったものが含まれる。
さらに、過去30日以内に真剣に自殺を考えたと答えた人の割合は10.7%に達した。若者の世代(18~24歳)だけで見ると、この割合は25.5%と倍以上になった。4人に1人が、5~6月の1カ月間で真剣に自殺を考えたことになる。
青年心理学者のリサ・ダモー博士は米公共ラジオ局ナショナル・パブリック・ラジオ(NPR)に対し、成長段階にある十代の子たちにとっては、定期的に友達と触れ合うことや、家族以外の大人(教師、コーチなど)との関係を維持することが非常に大切だと指摘。パンデミックの措置としての隔離生活からの影響で、こうしたことができなくなってしまった現状を非常に憂慮している、と述べた。
10~14歳の銃での自殺は213%増
エブリィタウン・フォー・ガン・セイフティによると、若者の自殺率は2007年から毎年増えており、現在は記録的な高さになっている。同団体はまた、新型コロナウイルスが引き起こす病気そのものよりも、流行拡大からの影響が若者の生活に深刻な影を落としていると説明する。不安感や孤独感が増し、自殺のリスクを高めているのだ。