最新記事

感染第2波

米ニューヨーク州でコロナ陽性率再上昇 中西部中心に30州で新規感染も増加

2020年9月29日(火)10時56分

米ニューヨーク州のクオモ知事は28日、同州の新型コロナウイルス検査の陽性率が1.5%に上昇したと明らかにした。ニューヨーク市で25日撮影(2020年 ロイター/BRENDAN MCDERMID)

米ニューヨーク州のクオモ知事は28日、同州の新型コロナウイルス検査の陽性率が1.5%に上昇したと明らかにした。中西部の一部で記録している約15%と比較すると、依然低水準にあるものの、ニューヨーク州では数週間連続で1%を下回る水準まで回復していたこともあり、懸念される兆候と受け取られた。

9月に入り、同州の感染者数は4.4%増加。しかし、全米レベルでは極めて低い伸びにとどまっている。

クオモ知事によると、感染者数はブルックリンなど複数の地域で増加しており、保健当局者はこれら地域の集団感染の状況を精査しているという。

また同日には、全米50州中30州で新規感染者数が増加した。

週間の感染者数も27州で2週連続で増加。ロイターの分析によると、ノースカロライナとニューメキシコの両州では先週1週間で感染者数が50%超増加した。

中西部での感染も急激に拡大しており、ウィスコンシン州では先週2回にわたり、1日当たりの新規感染者数がこれまでの最多を記録。サウスダコタ、ユタ、ワイオングの各州も今月に入り3回、1日当たりの新規感染者数が最多を更新した。

コロナ検査の陽性率も、サウスダコタ州では先週17%から26%に上昇。28日時点で、ウィスコンシン州は19%、アイオワ州は16%、ミズーリ州は16%、カンザス州は15%、ネブラスカ州は14%と、世界保健機関(WHO)が懸念視する5%の水準を大幅に上回っている。

米国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長はこの日、ABCの番組で、現在の感染拡大傾向に懸念を表明。冬が近づく中、屋内での活動が増えることで感染が拡大する可能性が高いとし、「米国は良い状況にない。秋、冬を前に可能な限り市内感染を抑制させる必要がある」と語った。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・ロシア開発のコロナワクチン「スプートニクV」、ウイルスの有害な変異促す危険性
・巨大クルーズ船の密室で横行するレイプ
・パンデミック後には大規模な騒乱が起こる
・日本がついに動く実物大のガンダムを建造、ファンに動画が拡散


20250225issue_cover150.png
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年2月25日号(2月18日発売)は「ウクライナが停戦する日」特集。プーチンとゼレンスキーがトランプの圧力で妥協? 20万人以上が死んだ戦争は本当に終わるのか

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、米軍制服組トップ解任 指導部の大規模刷

ワールド

アングル:性的少数者がおびえるドイツ議会選、極右台

ワールド

アングル:高評価なのに「仕事できない」と解雇、米D

ビジネス

米国株式市場=3指数大幅下落、さえない経済指標で売
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ウクライナが停戦する日
特集:ウクライナが停戦する日
2025年2月25日号(2/18発売)

ゼレンスキーとプーチンがトランプの圧力で妥協? 20万人以上が死んだ戦争が終わる条件は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン化」の理由
  • 3
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 4
    1888年の未解決事件、ついに終焉か? 「切り裂きジャ…
  • 5
    飛行中の航空機が空中で発火、大炎上...米テキサスの…
  • 6
    ソ連時代の「勝利の旗」掲げるロシア軍車両を次々爆…
  • 7
    私に「家」をくれたのは、この茶トラ猫でした
  • 8
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 9
    メーガン妃が「アイデンティティ危機」に直面...「必…
  • 10
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 3
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ...犠牲者急増で、増援部隊が到着予定と発言
  • 4
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン…
  • 5
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 6
    朝1杯の「バターコーヒー」が老化を遅らせる...細胞…
  • 7
    7年後に迫る「小惑星の衝突を防げ」、中国が「地球防…
  • 8
    墜落して爆発、巨大な炎と黒煙が立ち上る衝撃シーン.…
  • 9
    ビタミンB1で疲労回復!疲れに効く3つの野菜&腸活に…
  • 10
    「トランプ相互関税」の範囲が広すぎて滅茶苦茶...VA…
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 4
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」…
  • 5
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 6
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 7
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 8
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 9
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のア…
  • 10
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中