イタリア、国民投票で議員数3分の1削減が決定「報酬高過ぎ」
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国民投票で圧倒的多数が議員削減を支持 REMO CASILLI-REUTERS
<議員の報酬は月額約1万1773ドルでイギリスの国会議員の1.5倍以上>
イタリア国会議員の定数大幅削減の是非を問う国民投票が9月20~21日に行われ、70%の賛成を得て上下両院の議員数3分の1の削減が決定した。議席は下院が630から400に、上院は315から200に削減され、2023年の次回選挙から適用される。
議員定数の削減は中道左派の与党・民主党と連立を組むポピュリスト政党「五つ星運動」が推し進めた。支持者らは、イタリアの議員の報酬は高過ぎ、経費を使い過ぎ、仕事量は少な過ぎると主張する。議員報酬は月額約1万1773ドルでイギリスの国会議員の1.5倍以上に当たる。
ミラノのボッコーニ大学のカトリーヌ・デフリース教授(政治学)は「ポピュリズムは力を失っておらず、反体制的な機運は欧州社会でいまだ勢力を保っている」と言う。
定数削減で5年の議員任期中に5億8000万ドルの経費削減になるというが、反対派はわずかな財政的利益のために民主主義のシステムがむしばまれると主張している。
<2020年10月6日号掲載>
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