中国によるスパイ活動と盗用行為が「アメリカの最大の脅威」
China Poses Unprecedented Security Risk to US Far Beyond Elections
「アメリカは、軍事力で支配的なだけでなく科学技術でも支配的な力を持っている」と、ワシントンの研究機関「ジェームズタウン財団」の非常勤フェロー、マット・ブラジルは本誌取材に語った。「インターネットから生物学の研究、人工知能まで、アメリカがすべての標準だ」
中国はアメリカをはじめ世界各国との良好な経済関係を維持しながら、地政学的なパワーバランスを変化させようとしている、とブラジルは言う。
「もしあなたが中国で、利害関係が対立するアメリカが中国周辺の国々を同盟国で固めようとしていれば、中国は単にアメリカと競争するだけでなく、世界各国が先進分野で中国に従い始めるように流れを変えなくてはならない」
中国の究極の目標は?
中国の政府高官は、政府方針は純粋に国防のためで、国家間の相互協調に基づいていると自己弁護する。外務省報道官の趙立堅(チャオ・リーチェン)は26日の記者会見で、「アメリカは同じ事を自身に向かって言えるのか」とたずねた。
「世界中に数百カ所の軍事基地を持つのは一体誰か? イラクやリビア、シリアなどの国々に対して違法な戦争や軍事作戦を仕掛けたり、遠方の海域に艦船や航空機を派遣して軍事行動を広げているのは誰か?」と問い掛けた。「冷戦下の思考で行動し、国際条約や国際組織から脱退し、こん棒や拳を狂ったように振り上げているのは誰か?」
「アメリカの政治家が事実を直視するならば、その質問の答えは簡単に分かる」と、趙は続けた。
しかし米国防総省情報局(DIA)の元副長官ダグラス・ワイズは、中国が台湾や香港の統治を主な目標として掲げる一方で、中国の究極の目標はかつて世界の頂点に君臨した歴史上の立場を取り戻すことにあると指摘する。
「中国が欲しているのは、アメリカに対する競争上の優位だ。情報、経済、技術、イノベーション、国防、政策のすべての分野で」
アメリカの情報コミュニティーは、大統領選への短期的な脅威と考えられているロシアに注目している。その一方で、現役または引退した情報担当は中国を警戒している。
「中国の脅威の大きさ、領域の広さにアメリカが対抗するには、膨大な防諜活動のリソースが必要だ」と、F B Iに関する新著が来年発刊される予定のフィリウッツィは言う。「中国の脅威に対抗するのは、大規模な洪水を方向転換させようとするようなもの。どれだけ多くのリソースをつぎ込んでも、結局は水があふれて被害が出てしまうだろう」
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