最新記事

ビジネス

韓国版ウーバーイーツ「ベミン」 ロボット配達や小規模店へのネット講座でコロナ下の飲食店をサポート

2020年8月26日(水)20時45分
ウォリックあずみ(映画配給コーディネイター)

大学キャンパスでの「ベミン」によるロボット配達の試験サービス Konkuk University

<日本同様、コロナ禍で飲食店の売上が減る韓国で、宅配サービスが新たな試みを始めた>

新型コロナの感染拡大で外出自粛が呼びかけられてから、外食を控える人が増加し、ウーバーイーツなど食品の宅配サービスが日本で定着してきたように思える。一方、お隣の国・韓国は、以前から配達天国として有名だった。ソウルの真ん中に流れる河川「漢江」でも、電話一つで河川敷にチキンや麺料理が宅配できるほどだ。もちろん家にもいろいろな食堂の宅配メニューが1冊になったフリーマガジンが毎日のように届けられる。

出前大国でありながらIT大国でもある韓国では、配達アプリも広く浸透している。数ある出前アプリの中でも、特に成功を収めているのが「ベミン」と呼ばれるアプリ「配達の民族」(배달의민족)だ。まさに出前好きな韓国人を表したようなネーミングと言えるだろう。

シェア63%という人気サービス「配達の民族」

「配達の民族」は、2010年にアプリ配信が開始された出前注文サービスである。それまで韓国では、直接お店に電話をかけて注文をする一般的な出前スタイルだった。しかし、このアプリでは、わざわざ通話しなくても、入力だけでオンライン注文ができる。

韓国人はもちろん、電話越しの会話に自信の無い外国人にも、出前を気軽に行えるようにしたのもこのアプリだ。もちろん、一部のフランチャイズなどでは、その前からオンライン注文を行っていた店も存在したが、「配達の民族」はアプリの中から様々なジャンルの料理が検索でき、出前できるお店も多様である。

ウーバーイーツとの大きな違いは、配達にある。「配達の民族」は、ウーバーイーツのようにデリバリー分野まで請け負っているわけではない。注文をお店側に伝え、配達はお店が個別に契約した配達代行業者が行っている。

そんな配達の民族が、今年さらなる進化を見せようとしている。韓国では、コロナの感染拡大後、様々なアイデアで非接触サービスが見直されるようになった。宅配の民族はこれを機にロボットを使ったデリバリーを開始しようとしている。


【関連記事】
・コロナ感染大国アメリカでマスクなしの密着パーティー、警察も手出しできず
・巨大クルーズ船の密室で横行するレイプ
・韓国、新型コロナ第2波突入 大規模クラスターの元凶「サラン第一教会」とは何者か
・韓国、ユーチューブが大炎上 芸能人の「ステマ」、「悪魔編集」がはびこる

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ロシアがウクライナに無人機攻撃、1人死亡 エネ施設

ワールド

中国軍が東シナ海で実弾射撃訓練、空母も参加 台湾に

ビジネス

再送-EQT、日本の不動産部門責任者にKJRM幹部

ビジネス

独プラント・設備受注、2月は前年比+8% 予想外の
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:引きこもるアメリカ
特集:引きこもるアメリカ
2025年4月 8日号(4/ 1発売)

トランプ外交で見捨てられ、ロシアの攻撃リスクにさらされるヨーロッパは日本にとって他人事なのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大はしゃぎ」する人に共通する点とは?
  • 2
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2人無事帰還
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 5
    あまりにも似てる...『インディ・ジョーンズ』の舞台…
  • 6
    磯遊びでは「注意が必要」...6歳の少年が「思わぬ生…
  • 7
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 8
    「隠れたブラックホール」を見つける新手法、天文学…
  • 9
    イラン領空近くで飛行を繰り返す米爆撃機...迫り来る…
  • 10
    【クイズ】アメリカの若者が「人生に求めるもの」ラ…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 2
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大はしゃぎ」する人に共通する点とは?
  • 3
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「最大の戦果」...巡航ミサイル96発を破壊
  • 4
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 5
    800年前のペルーのミイラに刻まれた精緻すぎるタトゥ…
  • 6
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者…
  • 7
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 8
    一体なぜ、子供の遺骨に「肉を削がれた痕」が?...中…
  • 9
    「この巨大な線は何の影?」飛行機の窓から撮影され…
  • 10
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 3
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 4
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 5
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 6
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 7
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 8
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中