最新記事

ロシア

毒を盛られて苦しむ反体制派ナワリヌイ......ロシア政府寄りニュースが動画を配信

Alexei Navalny 'Poisoning' Video Shows Anti-Putin Activist Crying Out in Pain

2020年8月21日(金)13時30分
デービッド・ブレナン

ナワリヌイは昨年、収監中に急性アレルギー症状を引き起こし、この件についてナワリヌイは毒物の使用を疑っていた。ヤ―ミッシュは昨年の件と今回との繋がりを指摘している。昨年、反体制派の地方選挙への立候補を政府が認めなかったことに反発して、モスクワで反政府デモが起きたが、ナワリヌイはこのデモを扇動した罪状で30日間、収監されていた。

「同じことが起きたのは、はっきりしている」と、ヤーミシュは20日の事件について述べた。また、ナワリヌイが治療を受けているICUには、多数の警察官が詰めかけて医師から何が起きたか説明を聞こうとしている、と言う。

ロシアでは来月13日に、約4000万人の有権者が投票所に向かう統一地方選が予定されている。ナワリヌイはその候補者の支援のためにシベリアを訪れていた。トムスクで支援者らと一緒に写真撮影し、それをインスタグラムに投稿して、「ペテン師どもが自ら辞めることはない」と反対陣営を挑発していた。

ナワリヌイは過去に様々な攻撃や当局からの拘束を受けてきた。17年にはモスクワの路上で身元不明の男から化学染料のスプレーや液体を顔にかけられた。ナワリヌイはこれによって、右目の視野の80%を失ったと主張し、政府が背後でこの攻撃を指示していたと非難している。

以下に掲載するのは、旧ソ連諸国の民主主義への移行状況を示した、統計データベース「Statista」作成のグラフ。

statista0821-post-soviet.jpg

<関連記事:ロシアがベラルーシに軍事介入するこれだけの理由

<話題の記事>
・コロナ感染大国アメリカでマスクなしの密着パーティー、警察も手出しできず
・巨大クルーズ船の密室で横行するレイプ
・新たな「パンデミックウイルス」感染増加 中国研究者がブタから発見
・韓国、ユーチューブが大炎上 芸能人の「ステマ」、「悪魔編集」がはびこる

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

アクティビスト、世界で動きが活発化 第1四半期は米

ワールド

フィンランドも対人地雷禁止条約離脱へ、ロシアの脅威

ワールド

米USTR、インドの貿易障壁に懸念 輸入要件「煩雑

ワールド

米議会上院の調査小委員会、メタの中国市場参入問題を
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:引きこもるアメリカ
特集:引きこもるアメリカ
2025年4月 8日号(4/ 1発売)

トランプ外交で見捨てられ、ロシアの攻撃リスクにさらされるヨーロッパは日本にとって他人事なのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大はしゃぎ」する人に共通する点とは?
  • 2
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2人無事帰還
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 5
    磯遊びでは「注意が必要」...6歳の少年が「思わぬ生…
  • 6
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 7
    「隠れたブラックホール」を見つける新手法、天文学…
  • 8
    【クイズ】アメリカの若者が「人生に求めるもの」ラ…
  • 9
    【クイズ】2025年に最も多くのお金を失った「億万長…
  • 10
    トランプが再定義するアメリカの役割...米中ロ「三極…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 2
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「最大の戦果」...巡航ミサイル96発を破壊
  • 3
    800年前のペルーのミイラに刻まれた精緻すぎるタトゥーが解明される...「現代技術では不可能」
  • 4
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者…
  • 5
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 6
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 7
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 8
    一体なぜ、子供の遺骨に「肉を削がれた痕」が?...中…
  • 9
    「この巨大な線は何の影?」飛行機の窓から撮影され…
  • 10
    現地人は下層労働者、給料も7分の1以下...友好国ニジ…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 3
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 4
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 5
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 6
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 7
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 8
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中