最新記事

エンターテインメント

韓国、『愛の不時着』を破り今年上半期もっともヒットしたドラマは?

2020年8月17日(月)17時35分
ウォリックあずみ(映画配給コーディネイター)

newsweek_20200817_170854.jpg

視聴率ランキング3位はナム・グンミン主演で野球ビジネスを描いた『ストーブリーグ』 뉴스킹 / YouTube

視聴率ランキング3位は球団ビジネスを描いた作品

では、2020年上半期視聴率ベスト3はどうなっているだろうか。視聴率では、視聴者数のランキング1位と2位が入れ替わり、1位『夫婦の世界』、2位『浪漫ドクター キム・サブ2』という結果だった。そして、3位にランクインしたのは、プロ野球球団を舞台に、選手ではなくゼネラルマネージャーや運営陣を中心としたストーリー展開が話題を呼んだ『ストーブリーグ』である。

古今東西、弱小スポーツチームの逆転優勝劇は人気のジャンルだ。しかし、一般的には選手と監督やコーチとの感動の絆を描くことが多いだろう。だがこのドラマの興味深いポイントは、選手ら表舞台に立つ者達はもちろんだが、マネージャー、選手スカウトチーム、広報、戦力分析チーム、運営スタッフなど裏方の人々を中心に話が展開する点だ。スポーツ系のサクセスストーリーを楽しめるのと同時に、お仕事系ヒューマンドラマとしての見方もできる。

ちなみにこのドラマも『浪漫ドクター キム・サブ2』と同じSBSのドラマ。SBSは視聴者数ランキングでは1位から15位までに7作品もランクインし、KBSやMBCが低迷するなか、唯一の地上波民放としてヒットを連発した。

アメリカでリメイクされる作品も

韓国ドラマは今、ネットフリックスの配信に乗って世界中から注目を浴びている。その証拠に、去年視聴率記録を出し社会的ブームとなったドラマ『SKYキャッスル』はアメリカでのリメイクが決定している。その他にも、幽霊専門のゴーストホテルを舞台にした『ホテルデルーナ~月明かりの恋人~』、日本でも中井貴一主演でリメイクされた『記憶』、韓国内で一番多忙とされる警察署を舞台に、悪と戦う警官たちを描いた『ライブ ~君こそが生きる理由~』なども、すでにアメリカでのリメイク版権が販売済みである。

韓国ドラマは日本に比べて1話が65分程度と長く、全体で16〜20話前後と多い。そのため、登場人物を多くして、話をより深堀りすることが出来る。そして、韓国映画同様、社会情勢や社会的な問題を説教くさくならない程度に、上手く取り入れているのも韓国ドラマの特徴だろう。

また、俳優だけでなくスタッフも、映画とドラマの垣根を越えてどちらでも活躍する人が増えたため、ドラマの画面のクォリティーが急速に上がったことも、世界から受け入れられる要因となった。韓国ドラマは今後も世界からの注目の的になっていくことだろう。


【話題の記事】
・コロナ感染大国アメリカでマスクなしの密着パーティー、警察も手出しできず
・巨大クルーズ船の密室で横行するレイプ
・新たな「パンデミックウイルス」感染増加 中国研究者がブタから発見
・韓国、ユーチューブが大炎上 芸能人の「ステマ」、「悪魔編集」がはびこる


20200825issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年8月25日号(8月18日発売)は「コロナストレス 長期化への処方箋」特集。仕事・育児・学習・睡眠......。コロナ禍の長期化で拡大するメンタルヘルス危機。世界と日本の処方箋は? 日本独自のコロナ鬱も取り上げる。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

英消費者信頼感、11月は3カ月ぶり高水準 消費意欲

ワールド

トランプ氏、米学校選択制を拡大へ 私学奨学金への税

ワールド

ブラジル前大統領らにクーデター計画容疑、連邦警察が

ビジネス

カナダ、63億加ドルの物価高対策発表 25年総選挙
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:超解説 トランプ2.0
特集:超解説 トランプ2.0
2024年11月26日号(11/19発売)

電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対する中国人と日本人の反応が違う
  • 2
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 3
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 4
    Netflix「打ち切り病」の闇...効率が命、ファンの熱…
  • 5
    【ヨルダン王室】生後3カ月のイマン王女、早くもサッ…
  • 6
    元幼稚園教諭の女性兵士がロシアの巡航ミサイル「Kh-…
  • 7
    NewJeans生みの親ミン・ヒジン、インスタフォローをす…
  • 8
    北朝鮮は、ロシアに派遣した兵士の「生還を望んでい…
  • 9
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 10
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査を受けたら...衝撃的な結果に「謎が解けた」
  • 3
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り捨てる」しかない理由
  • 4
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 5
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 6
    アインシュタイン理論にズレ? 宇宙膨張が示す新たな…
  • 7
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
  • 8
    クルスク州の戦場はロシア兵の「肉挽き機」に...ロシ…
  • 9
    沖縄ではマーガリンを「バター」と呼び、味噌汁はも…
  • 10
    メーガン妃が「輝きを失った瞬間」が話題に...その時…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大きな身体を「丸呑み」する衝撃シーンの撮影に成功
  • 4
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 5
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 6
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 7
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 8
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
  • 9
    モスクワで高層ビルより高い「糞水(ふんすい)」噴…
  • 10
    ロシア陣地で大胆攻撃、集中砲火にも屈せず...M2ブラ…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中