韓国、『愛の不時着』を破り今年上半期もっともヒットしたドラマは?
視聴率ランキング3位は球団ビジネスを描いた作品
では、2020年上半期視聴率ベスト3はどうなっているだろうか。視聴率では、視聴者数のランキング1位と2位が入れ替わり、1位『夫婦の世界』、2位『浪漫ドクター キム・サブ2』という結果だった。そして、3位にランクインしたのは、プロ野球球団を舞台に、選手ではなくゼネラルマネージャーや運営陣を中心としたストーリー展開が話題を呼んだ『ストーブリーグ』である。
古今東西、弱小スポーツチームの逆転優勝劇は人気のジャンルだ。しかし、一般的には選手と監督やコーチとの感動の絆を描くことが多いだろう。だがこのドラマの興味深いポイントは、選手ら表舞台に立つ者達はもちろんだが、マネージャー、選手スカウトチーム、広報、戦力分析チーム、運営スタッフなど裏方の人々を中心に話が展開する点だ。スポーツ系のサクセスストーリーを楽しめるのと同時に、お仕事系ヒューマンドラマとしての見方もできる。
ちなみにこのドラマも『浪漫ドクター キム・サブ2』と同じSBSのドラマ。SBSは視聴者数ランキングでは1位から15位までに7作品もランクインし、KBSやMBCが低迷するなか、唯一の地上波民放としてヒットを連発した。
アメリカでリメイクされる作品も
韓国ドラマは今、ネットフリックスの配信に乗って世界中から注目を浴びている。その証拠に、去年視聴率記録を出し社会的ブームとなったドラマ『SKYキャッスル』はアメリカでのリメイクが決定している。その他にも、幽霊専門のゴーストホテルを舞台にした『ホテルデルーナ~月明かりの恋人~』、日本でも中井貴一主演でリメイクされた『記憶』、韓国内で一番多忙とされる警察署を舞台に、悪と戦う警官たちを描いた『ライブ ~君こそが生きる理由~』なども、すでにアメリカでのリメイク版権が販売済みである。
韓国ドラマは日本に比べて1話が65分程度と長く、全体で16〜20話前後と多い。そのため、登場人物を多くして、話をより深堀りすることが出来る。そして、韓国映画同様、社会情勢や社会的な問題を説教くさくならない程度に、上手く取り入れているのも韓国ドラマの特徴だろう。
また、俳優だけでなくスタッフも、映画とドラマの垣根を越えてどちらでも活躍する人が増えたため、ドラマの画面のクォリティーが急速に上がったことも、世界から受け入れられる要因となった。韓国ドラマは今後も世界からの注目の的になっていくことだろう。
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