武漢パンクはコロナで死なず──ロックダウンがミュージシャンにもたらした苦悩と決意
CAN WUHAN PUNK SURVIVE THE CORONAVIRUS?
武漢のスカ/レゲエバンド「スカイ・キング・ジャック」のギタリストであるルーカスは、「武漢は中国で何千年も続いた封建制度を転覆させた革命の誕生の地だ」と言い、その歴史が今につながっていると主張する。「武漢の住民にはパンクの精神が根付いている。よその中国人より、僕らの魂は熱い」。その反逆精神は、如夢の陳のような武漢ロックの新星にもしっかり受け継がれている。陳に言わせると、武漢の役人は新型コロナウイルスに関する警告を遅らせた「悪者」だ。そして「事態がまずい方向にいくと、連中は責任を取らされることや自分たちの地位が揺らぐことを恐れて事実を隠そうとする。よくあることだ」と言う。
一方、長らく中国のロックシーンを見てきたスプリットワークスのハミルトンによれば、今回のパンデミックとそれに伴うロックダウンも、根性が据わった武漢のミュージシャンやライブハウス経営者には勝てなかった。なにしろVoxのような店で開くライブは「本音で語り本心に従って生きている人々の集まりであり、そこには中国のほかの都市では見られないほどの自由な精神がある」からだ。
フィル・レイクのベーシストである李雲彤も、熱い思いでは誰にも負けない。「演奏ができなくても、武漢のバンドは今後の発展の備えを着実に進めている。みんなとてもクリエーティブだし、武漢のミュージックシーンが再び活気を取り戻す日が来るのを確信している」
彼女のような存在は、Voxの李珂をはじめとする業界のベテラン勢にも励みとなる。もちろんVoxの経営は苦しい。それでも李珂は「音楽を愛する才能豊かな人々がいる限り武漢のミュージックシーンは進化していく」と信じている。「音楽と音楽業界は別ものだからね」
From thediplomat.com
<本誌2020年7月28日号掲載>
【関連記事】ゲイと共産党と中国の未来
【関連記事】新しい中国を担う「意識高い系」中国人のカルチャーとは何か?
【話題の記事】
・12歳の少年が6歳の妹をレイプ「ゲームと同じにしたかった」
・ヌード写真にドキュメントされた現代中国の価値観
・異例の熱波と水不足が続くインドで、女性が水を飲まない理由が悲しすぎる
・中国は「第三次大戦を準備している」

楽天ブックスに飛びます
2020年8月11日/18日号(8月4日発売)は「人生を変えた55冊」特集。「自粛」の夏休みは読書のチャンス。SFから古典、ビジネス書まで、11人が価値観を揺さぶられた5冊を紹介する。加藤シゲアキ/劉慈欣/ROLAND/エディー・ジョーンズ/壇蜜/ウスビ・サコ/中満泉ほか