最側近クシュナーの勝算「大勝利に足るトランプ支持者は確実にいる」
Kushner Gets Candid
新型コロナ対策でも奮闘したクシュナー DREW ANGERER/GETTY IMAGES
<義理の息子で「何でも屋」、ジャレッド・クシュナーがトランプ政権での役割と大統領選勝利へのロードマップをインタビューで明かした>
6月中旬、ジャレッド・クシュナーに本誌・ビル・パウエルが話を聞いた。
──2017年1月の大統領就任当時、トランプは自身の役割をどう考えていたか。
いま振り返ると前世の話のようだ。あの頃私は、彼がホワイトハウスで自分なりのやり方を習得する手助けをしていた。彼の耳目となって優秀な人材を活用し、信用できない人間に目を光らせる必要があった。常に彼を支えた。私はトレンドをつかみ、意思決定をし、組織を運営するのが得意だった。ほとんどの時間を大統領がやりたいことに費やしてきた。私は何でも屋だ。
遊説に同行して次第にはっきり分かってきた。トランプは声を上げたがっている人々の代弁者だった。知識人と一般のアメリカ人とでは感じ方が違うんだ。彼が何のために戦っているかが分かった。
──コロナ危機への対応は?
最大の問題は人工呼吸器と検査だった。民間企業と協力して取り組んだ。数多くの要素を組み合わせ、サプライチェーンを復活させ、各種検査機器の使用認可のお膳立てをし、検査機器の開発企業と連絡を取り合った。多くの規制を緩和することができた。煩雑な手続きを省略したことで、一気に進む。どんどん検査ができるようにしている。
人工呼吸器の状況は州によってまちまちだった。どのリソースが民間にあるか、どこにあるかを突き止め、電話で各州の保有数と利用率を確認した。秩序を要請した。
感染者数が増加するなか、5月1日までに13万台製造するのは無理かもしれないと思った。感染拡大を抑えられなければ、イタリアのように患者が担架に乗せられたまま死ぬ事態に陥りかねなかった。
──なぜ中東和平の担当に?
義父(トランプ)に請われて。彼は米イスラエル関係に非常に熱心だ。彼の支持基盤にとって両国の関係は非常に重要だから。自分が満足のいく形での解決を望んでいた。
パレスチナとイスラエルの協議という枠組みをはるかに超える力学が働いていた。両者の対立はガンだ。腫瘍の治療・摘出が和解につながる。そこでまずサウジアラビアに行き、中東問題でトランプが目指すところを示そうとした。
イスラエル、パレスチナ双方と協議して気付いたのは、誰もがプロセスや歴史を重視したがっていることだ。そこが落とし穴だ。過去の和平合意は現状維持の言い訳も同然だった。パレスチナ自治政府は資金を、イスラエルは土地を手に入れ続けることができた。どちらも本気で問題を解決しようとはしていなかった。
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