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感染症対策米CDC、コロナ検査指針を変更「感染者と接触でも無症状なら検査不要」 専門家からは批判の声
米疾病対策センター(CDC)は26日、新型コロナウイルス感染症の検査指針を変更し、コロナ感染者と接触しても無症状であれば検査を受ける必要はないと提言した。ニューヨークで18日撮影(2020年 ロイター/MIKE SEGAR)
米疾病対策センター(CDC)は26日、新型コロナウイルス感染症の検査指針を変更し、コロナ感染者と接触しても無症状であれば検査を受ける必要はないと提言した。
これまでは、感染者と接触があった人は全員検査を受けるべきとの指針を示していた。
CDCは、米食品医薬品局(FDA)と厚生省と連携し、新たな指針を決定したとし、「公衆衛生への妨げ」と解釈すべきではないとした。
厚生省のジロワー次官補は、「適切な検査」が目標で、検査を増やすことではないと指摘。無症状感染者の検査が早すぎてウイルスを確認できず、安全だと思い込んで感染拡大につながる可能性もあるとし、新たな指針が検査キット不足によるものではないと述べた。
コロナ検査を巡っては、多くの州で検査キットの不足など、トランプ政権の対応を巡り批判の声が上がっていた。
ボルチモア市の元衛生局長でジョージ・ワシントン大学ミルケン研究所公衆衛生学校の客員教授、リーナ・ウェン博士はCNNに、突然の指針変更は説明がつかないとした上で、「検査は拡大が必要なのであって、縮小ではない」と非難した。
ジロワー次官補は、指針変更の決定には政権からの政治的圧力はなかったと説明。「科学者や医療関係者が作成したもので、(政府の)対策本部で広く議論された」と述べた。対策本部はペンス副大統領がトップを務めている。
ニューヨーク州のクオモ知事(民主党)はツイッターへの投稿で、検査対象基準の変更が「科学ではなく、政治によるものだ」と批判した。
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